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ケイデンス、エンタープライズプロトタイピングシステム初のデータセンター設置に最適化された拡張可能な新製品Protium X1を発表、早期ソフトウェア開発を支援

2019.5.29  5:07 pm

Protium S1と比較して最大64倍の回路規模に対応し、数十億ゲートのデザインに対し数MHzレベルのパフォーマンスを提供、さらにAI、モバイル、グラフィックス、5G などに向けて開発されるSoCの早期ソフトウェア開発を可能とする高度なデバッグ機能を搭載

ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下、ケイデンス)は、5月28日(米国現地時間)、自社のVerification SuiteおよびSystem Innovation製品を拡大し、早期ソフトウェア開発、ハードウェア/ソフトウェアのリグレッション検証、フルシステム検証向けに、数MHzのパフォーマンスを実現する、データセンターでの設置に向けて最適化されたFPGAベースのプロトタイピングシステムであるCadence® Protium™ X1 エンタープライズ・プロトタイピング・プラットフォームを発表しました。

Protium X1アーキテクチャーは、数十億ゲートクラスのAI、5G向けチップから、IoTチップやIPブロックまで、広範なデザイン規模やアプリケーションに対応します。お客様はProtium X1プラットフォームを使用することにより、最大80%高速な立ち上げを行うことができ、最大32ラック構成にまで対応可能な拡張性により、デスクトッププロトタイピングシステムと比較して最大24倍の対応回路規模に対応することができます。このプラットフォームは、数十億ゲートの規模のデザインに対して数MHzのパフォーマンスを提供し、4億ゲートを超えるデザインでパフォーマンスが低下してしまう従来システムにおけるアーキテクチャーの限界を乗り越えることができます。

新しいProtium X1プラットフォームに関する詳細な情報は、www.cadence.com/go/ProtiumX1 をご覧ください。

データセンター的な使用に向けて最適化された形状で、高度な拡張性や柔軟性を提供するために新規なアーキテクチャーで開発された新しいProtium X1プラットフォームは、数十億ゲートレベルの高速デザインのシリコン製造前のソフトウェア開発に最適なソリューションです。このプラットフォームでは、FPGAベースのプロトタイピングシステムに合わせてデザインを分割する必要がありません。また、USBやEthernetなど実際に使用されるインターフェイスを通して、ハードウェア/ソフトウェアのリグレッションテストを高速に実行することによりデバックやフルシステム検証に必要な時間が短縮されます。

Xilinx社コメント
Hanneke Krekels氏(Senior director of Test, Measurement and Emulation):
「Protium X1は、XilinxのFPGAデバイスを使用したケイデンスのプロトタイピングプラットフォームとしては第3世代目となる製品です。Xilinxとケイデンスは、長期にわたるビジネスパートナーシップの一環として、Xilinx Vivado Design Suiteとケイデンスのソフトウェア群の組み合わせがシームレスに動作できるよう緊密に協業してきました。ケイデンスのProtium X1 FPGAベースプロトタイピングプラットフォームは、我々のVirtex UltraScale VU440デバイスを使用し、数十億ゲート規模のデザインに対して数MHzのパフォーマンスを実現できるところまで来ており、デバイス密度で2.2倍向上、I/O数で21%増を実現し、データセンター設置を考慮した、拡張性の高いエンタープライズプロトタイピングに最適なものとなっています。」

新しいProtium X1プラットフォームの特長は以下の通りです。

・スケーラブルなパフォーマンス: Protium X1プラットフォームが提供する新しい分割処理そして相互接続テクノロジーにより、最高のパフォーマンスを提供し、ファームウェアやソフトウェアの早期開発が可能、数十億ゲートデザインで最大5MHz、シングルFPGAデザインで最大100MHzのパフォーマンスが実現可能

・スケーラブルな対応回路規模: AI、5G、グラフィックスなどのアプリケーションにおいては標準的な数十億ゲートという大規模デザインに対応できるよう、最大32ラック構成、1,536個の FPGAまで拡張可能

・高速なプロトタイプ立ち上げ: Protium S1デスクトッププロトタイピングプラットフォームおよびPalladium® Z1 エンタープライズエミュレーションプラットフォームと共通な統合コンパイル環境、そしてUFS 2.0、HMB2、LPDDR5などを含む新規に強化されたメモリーモデリングおよびインプリメンテーション機能により、エミュレーションからプロトタイピングに数日で移行することができ、より早期なファームウェア開発が可能

・高度なデバッグ機能: 数千万クロックサイクルの数千もの信号をリアルタイムにキャプチャーする新しいハイパフォーマンスデータキャプチャーカードをはじめ、生産性およびスループットを向上する新機能を提供、さらに、再コンパイルすることなくすべての信号に動的アクセスが可能となり、検証スループット全体を向上する新機能Prototyping Full Visibilityも提供

・マルチユーザー機能: IPのSW開発やリグレッションのコンフィグレーションがより容易化したことに加え、複数のジョブの並列実行や、高いFPGAマッピング能力により、さらに柔軟性が高くシステムユーティライゼーションの高いプラットフォームを提供。ストレージ、車載、イメージ、コンシューマー、医療などのアプリケーションに効果的

ケイデンス コメント
Paul Cunningham(Corporate vice president and general manager of the System & Verification Group):
「Protium X1プラットフォームは、AIおよび5Gなどのアプリケーションにおける大規模デザインに対応するために必要とされる、真にフレキシブルでスケーラブルなエンタープライズプロトタイピング環境を提供し、従来のデスクトップ型プロトタイピングを増強する画期的なソリューションです。初めて、数十億ゲートデザインを最大5MHzで実行することが可能となり、同時にPalladium Z1プラットフォームと共通な統合フロントエンドコンパイル環境により、高速なデザイン立ち上げを実現します。Protium X1プラットフォームにより、デスクトップ型プロトタイピングで得られたものと同じメリットをデータセンター型プロトタイピングにおいてもお届けします。」

Protium X1プラットフォームは、市場で普及しているProtium S1デスクトップ型プロトタイピングプラットフォームを企業向けプロトタイピング向けに強化したもので、Cadence Verification Suiteの構成要素となる製品です。Cadence Verification Suiteをさらに革新し、早期ソフトウェア開発を通じてシステムイノベーションを可能とすることにより、ケイデンスのIntelligent System Design戦略をサポートします。

■日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
 http://www.cadence.co.jp