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ケイデンスがMillenniumプラットフォームを発表

2024.2.2  5:33 pm

業界初となる加速するデジタルツイン技術でかつてない性能とエネルギー効率を実現

ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、2月1日(米国時間)、業界初のマルチフィジックスを用いたシステム設計・解析用HW/SWアクセラレーション・デジタルツインソリューションであるCadence® Millennium™ Enterprise Multiphysics Platformを発表しました。
      
性能と効率を同時に向上させることを1つの目標とした第一世代のCadence Millennium M1は、high-fidelity CFDシミュレーションを高速化します。クラウドでもオンプレミスでも利用可能なこのターンキー・ソリューションには、主要プロバイダのGPU、非常に高速な相互接続、GPUの加速と生成AIによって最適化されたケイデンスのhigh-fidelity CFDソフトウェア・スタックが含まれています。Millennium M1は、統合クラスタに融合することが可能で、複雑な機械システムをシミュレーションする際、前例のない即日ターンアラウンドタイムとほぼ直線的なスケーラビリティを実現します。
     
自動車、航空宇宙・防衛(A&D)、エネルギー、ターボ機械業界では、新たなレベルの性能と効率を実現する機械システムの設計が重要な優先課題となっています。性能を最適化し、温室効果ガスを削減するために、自動車設計者は燃費の向上、空気抵抗と騒音の低減、電気自動車の航続距離の延長に注力しています。A&Dおよびターボ機械の設計エンジニアにとって、効率の向上、CO2の削減、メンテナンス頻度の低減は最重要課題です。これらの目標を達成するためには、マルチフィジックスシミュレーション技術の進歩が不可欠です。設計に関する技術革新を推し進めるデジタルツインを用いたシミュレーションには、性能、精度、キャパシティ、コンピューティングの高速化はすべて必要不可欠であり、プロトタイプの開発や試験を行う前に、予測通り機能するということを確信できます。
     
こうした需要に応えることができるMillennium Platformには、以下のハイライトとメリットがあります。 
・パフォーマンス: クラス最高のGPU常駐型CFDソルバと専用GPUハードウェアの組み合わせにより、GPU1基あたり最大1000CPUコアのスーパーコンピューター相当のスループットを実現
・効率性: ターンアラウンドタイムを数週間から数時間に短縮し、CPUと同等の性能と比較して20倍のエネルギー効率を実現
・精度: Cadence Fidelity™ CFD Solverを活用し、複雑なシミュレーション課題に対応する比類ない精度を実現
・高性能コンピューティング: 拡張可能なアーキテクチャと拡張性の高いFidelityソルバにより構築され、複数のGPUノードでほぼ直線的なスケーラビリティを実現
・AIを用いたデジタルツイン: 高品質なマルチフィジックスデータの迅速な生成技術により、生成AIが最適なシステム設計ソリューションのデジタルツインを高速かつ高精度に可視化
・ターンキー・ソリューション: GPU演算と最新の拡張性の高いCFDソルバを組み合わせた業界初のソリューションで、CFDの高速化と複合領域設計・最適化のための最適化された環境を提供
・柔軟性: 主要ベンダーのGPU、最小8GPU構成のクラウド、または最小32GPU構成のオンプレミスで利用可能
      
株式会社本田技術研究所 コメント
小川 厚 氏(常務執行役員 先進技術研究所 所長)
「弊社とケイデンスは、10年以上にわたってCFD解析を用いた設計プロセスの高速化に取り組んできました。LESソルバーを搭載したケイデンスのMillennium M1マルチフィジックス・スーパーコンピューティング・プラットフォームの導入により、弊社の自動車、エアロプロパルジョン、eVTOLなどのプロジェクトにおける空力、燃焼、空力音響などのアプリケーションにおいて、大幅な作業時間の短縮と、より大規模なシステムのシミュレーションへの拡張性を実証しました。高忠実度CFDシミュレーションの大幅な加速が期待される中、今後も次世代のCFDソリューション開発において協力を継続できることを楽しみにしています。」
       
Corvid Technologies社コメント
Mathieu Amiraux氏(Senior Aerodynamicist)
「弊社では、空気力学と熱のシミュレーションにhigh-Fidelity CFDを日常的に活用しています。Cadence Fidelity CFDソフトウェアとGPUコンピューティングを組み合わせることで、当社の亜音速アプリケーションのhigh-fidelityシミュレーションのスループットが最大8倍向上しました。各プログラムで大量のシミュレーションを実行することを考えると、Millennium M1は、スピードアップと精度という点で、我々のワークフローに大きな好影響をもたらすと期待しています。」
      
ASUS社コメント
Paul Ju氏(Corporate Vice President and CTO、Data Center)
「ケイデンスとの連携は非常に素晴らしいものでした。弊社は、ケイデンスの画期的なハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより、卓越した性能とエネルギー効率を実現する新しいMillenniumプラットフォームでケイデンスと協業できることを嬉しく思います。私たちは、AIを活用したデジタルツイン設計やマルチフィジックス・シミュレーションの課題に対処するため、現在そして将来にわたって継続的なパートナーシップを築いていくことを楽しみにしています。」
      
Stanford University/Center for Turbulence Research (CTR) 社コメント
Parviz Moin氏(Stanford University Professor・Founding Director (CTR))
「ケイデンスのMillennium M1は、CharLESソルバによる高精度な流体シミュレーション技術を搭載しており、数値手法、物理学に基づいたモデリング、GPUコンピューティングにおける最近の技術革新を活用した最先端の数値流体力学を象徴しています。この精度、スピード、スケールの融合は、乱流が重要な役割を果たす航空宇宙、自動車、エネルギーシステムの設計にすでに影響を与えており、新世代の予測シミュレーションの先駆けとなるでしょう。さらに、高品質なシミュレーションデータの生成速度が大幅に向上することで、AIベースのモデルやデジタルツインの再現性など、制御やモデリングのコンセプトを開発する能力が大幅に強化されるでしょう。」
     
ケイデンス・コメント
Ben Gu(CorporateVice President of R&D、Multiphysics Systems Analysis)
「ケイデンスは35年の歴史を通じて、最も困難な計算アプリケーションの精度を損なうことなく性能を向上させることに注力してきました。アルゴリズムのスループットは依然として重要な優先事項であり、現在では膨大な量の設計データとシミュレーションデータから知識を得るために生成AIを活用しています。デジタルツインとAIアプリケーションを用いた当社の革新的なMillenniumプラットフォームは、かつてない高速化とスケーラビリティを実現することで、大きく前進しました。CFD解析により、性能と効率は大きく向上しました。Millennium M1の驚異的な仕様は、設計の技術革新を推し進め、より早く市場に投入しなければならない業界を後押ししています。」
     
詳細
www.cadence.com/go/millenniumpr (英語)
        
ケイデンス
cadence.com