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ケイデンスが次世代のアナログ、カスタム、RFIC設計に向けてAI技術を搭載したVirtuoso Studioを発表

2023.4.20  5:43 pm

ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下ケイデンス)は、4月19日(米国時間)、最適な設計体験を提供し、カスタムアナログ設計の未来を切り開く新たな次世代カスタム設計プラットフォーム Cadence® Virtuoso® Studio(以下Virtuoso Studio)を発表しました。
     
Virtuoso Studioは、設計プロセスを管理する独自のアプローチによりインフラストラクチャを再構築し、今日の最大規模の設計スループットを3倍以上向上させ、市場投入までの厳しいスケジュール目標を達成することを可能にします。
      
Virtuoso Studioは、より大規模で複雑な設計に直面する設計者の課題に対応し、設計サイクルを通じて設計意図が維持されるようにデザインの解析および検証を実行する機能を提供します。
この新しいプラットフォームには、Cadence Spectre® Simulation Platform、Cadence Allegro® PCB Design、Cadence Pegasus™ Verification Systemなど、ケイデンスの他のソリューションがシームレスに統合されており、従来の異なる設計領域間の障壁を取り除き、設計完了を加速することが可能になります。また、Virtuoso Studioは、新たにAWR® Microwave Office®ソリューションとも統合され、Design Rule Check (DRC) SolutionやLayout Versus Schematic (LVS) SolutionもVirtuoso Layout Suite内から利用可能になりました。
これにより、高度なミリ波設計と、レイアウト作成時のインタラクティブな解析をサインオフ品質で提供します。
さらに、設計者はVirtuoso Studioを通じて、Spectre X SimulatorやSpectre FX Simulatorを含むSpectre Simulation Platformにアクセスし、業界最大規模のアナログおよびミックスシグナル設計の解析が可能です。
      
新しいVirtuoso Studioプラットフォームは、設計者が慣れ親しんだ体験をそのままに、デザインの複雑化に対応できるように以下の利点を提供します:
     
・実績のあるソリューション: Virtuoso Studioは、アナログ、RFIC、ミックスシグナル設計において、業界をリードする様々な企業やファウンドリベンダーから30年にわたり信頼を受けてきた安全で実証済みのソリューションを提供し続けます。
・設計生産性の改善: 設計チームは、プレーナ構造のMOSFETやFinFETに包括的に対応するレイアウト配置の自動化と新しい配線ソリューションを活用して、設計生産性を向上させることができます。
・クラウド対応: Virtuoso Studioは、大規模な分散処理をサポートするためにクラウドに対応するソリューションを提供し、数百のシミュレーションが数千に拡大するような状況にも対応します。主要クラウドプロバイダーに向けて最適化されており、プライベートクラウドへの展開も可能です。
・AIを活用したデザインマイグレーション: 各ファウンドリーにサポートされているソリューションにより、スケマティックやレイアウトのプロセスマイグレーションにかかる負担を軽減します。Virtuoso ADE Suiteが提供するツールによりマイグレーション後のスケマティックを素早く最適化し検証可能となり、設計者は厳しい市場投入期間の目標を達成できます。また、AI対応ツールを活用することにより、既存のIPを次世代設計向けに変換することが可能になります。
・3D-IC統合環境: Virtuoso Studioは、先端プロセスノード、アナログ/RFパッケージ/モジュール、フォトニクスシステムの2.5Dおよび3D設計のヘテロジニアス・インテグレーションを可能にします。
     
Virtuoso Studioは、従来のカスタムデザインツールを革新的に改善することで、デザインを正確かつ期限内に提供することを可能にする最先端の設計環境です。新機能Design Space Optimizationにより、特にデザインのプロセスマイグレーション後において、AIアルゴリズムを活用して競合する仕様を特定し回路の最適化を支援します。設計者は、最適化されたコードとアルゴリズムにより、レイアウトツールとスケマティックツールの両方でより高速なインタラクティブなデザイン修正を行うことが可能です。
また、ジョブの分散処理により、レンダリング、接続性の抽出、デザインルールチェックを並行して実行し、設計作業を加速します。
さらに、Cadence Spectre FMC AnalysisもVirtuoso Studioに統合され、完全な機械学習(ML)ベースのモンテカルロ解析ソリューションを提供し、総当たりモンテカルロ解析に比べて桁違いの速度で3~6シグマレベルの歩留まりを提供します。
     
ケイデンス・コメント
Tom Beckley, senior vice president and general manager, Custom IC & PCB Group
「ケイデンスは、最も包括的な統合ツールとソリューションのセットをお客様に提供し、お客様がヘテロジニアスシステムの設計と検証をより容易に行えるよう引き続き取り組んでいます。Virtuoso Studioは、アナログ、ミックスシグナル、RF、フォトニクス設計を行うための新しい業界標準となる設計環境です。お客様は、慣れ親しんだVirtuoso環境にアクセスしながら、新たな設計課題に対応することができます。」
     
ルネサス社コメント
後藤 信彦氏(共通EDA技術開発統括部 デザインオートメーション部 部長)
「ケイデンスとルネサスは、20年以上アナログ設計の自動化について密接に協力してきました。Virtuoso Studioプラットフォームのリリースとともに、ツール開発と設計効率化向上における我々の緊密なコラボレーションは、新たな価値を提供し続けています。私たちは、より自動化された設計環境で新たなプロセスマイグレーションフローやAIを用いた自動化機能により設計の生産性を向上することを楽しみにしています。」
     
Analog Devices社コメント
Syam Veluri氏(senior director, Engineering Enablement)
「複雑なシステム製品の開発にはICとパッケージの協調設計が不可欠です。ADIは、次世代のシステム設計プラットフォームのニーズに応えるため、Virtuoso Studioの開発に関してケイデンスと緊密に連携してきました。」
     
MediaTek社コメント
Ching San Wu氏(corporate vice president)
「MediaTekにおいては、最新のプロセス技術を使用することで、チップ設計の限界に挑戦しています。Virtuoso Studioの新しいデバイス配線技術を最先端の製造プロセスに適用することによって、優れた結果と市場投入までの時間の短縮を実現する新たなレベルの自動化を実現できます。」
     
TSMC社コメント
Dan Kochpatcharin (head of the Design Infrastructure Management Division)
「TSMCは、30年以上にわたりVirtuoso Custom Design Platformに関してケイデンスと協業しています。Virtuoso Studioの導入により、世界最先端のプロセス技術におけるツール開発と次世代設計の実現に向けた最前線での協力関係を継続できることを楽しみにしています。」
     
Virtuoso Studio詳細
http://www.cadence.com/go/VirtuosoStudio
ケイデンス
cadence.com