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ams OSRAMが110μmの小口径を特徴とする省スペース表面実装型端面発光905nm赤外線レーザーダイオード発表

2023.4.4  6:03 pm

ams OSRAMが110μmの小口径を特徴とする省スペース表面実装型端面発光905nm赤外線レーザーダイオード発表

ams OSRAMは、発光面を小口径化した小型の表面実装赤外線レーザーデバイスをリリースし、産業向け端面発光レーザーダイオードのポートフォリオの拡張を発表しました。SPL S1L90H_3は、LiDARや長距離の産業用測距用途において、長距離での性能向上と光学系へのカップリングを容易にします。

SPL S1L90H_3の製品画像

SPL S1L90H_3は、110μmという小口径を実現した初の表面実装端面発光レーザーとなり、開口部の小口径化により、発光幅の狭いビームを発振することを可能にしています。この905nmの赤外線レーザーの技術は、短パルスLiDAR用途に最適化したものです。
      
本製品のレーザーベアチップは、ams OSRAMのマルチジャンクションテクノロジーが採用され、垂直に積層された3層のエミッタで構成されています。リフローによる表面実装が可能な2.3 mm x 2.0 mm x 0.69 mmパッケージ内にこのベアチップが実装されています。このテクノロジーは、レーザーのピーク出力65Wを可能にします。
これらの特徴により、SPL S1L90H_3は、LiDARによる距離測定、3D光学センシング、SLAM(自己位置推定と環境地図作成の同時実行)などの用途において、長距離でも対象領域をより良く照らすことが可能になり、ドローンやロボットなどの製品、ビル管理システム、およびファクトリーオートメーション(*) 機器などの製品価値の向上に貢献します。

(*) https://ams-osram.com/applications/industrial/factory-automation

ams OSRAMの産業用レーザープロダクトマーケティングマネージャー、Jouni Riihimaekiは、次のように述べています。
「大量生産が必要な消費者向け製品や産業用製品向けには、自動化された生産設備で組み立てることができる小型表面実装パッケージのレーザーの利便性が必要とされています。これまでの標準的なTO CANパッケージの製品に対してその需要が高まっています。SPL S1L90H_3は、車載用長距離LiDARシステム向け製品よりも低出力の表面実装デバイスとなり、産業向けポートフォリオとして最適化をしています。また、光学系の小型化に対応すべく、レーザー端面開口部の口径は、当社従来製品に対して半分のサイズとなっています」
      
・最適化されたパッケージデザイン
電力効率に優れ、最適化されたパルスレーザーSPL S1L90H_3は、最大50 nsのパルス幅での駆動が可能です。ビーム発散角はわずか10°(平行)×25°(垂直)で、レーザー端面開口部の小口径により、光学的にも効率的なビーム成形を可能にしています。インダクタンスが最適化されたSPL S1L90H_3のパッケージは、2 nsより短いパルス駆動にも適しています。この表面実装パッケージは、クラス3Bの耐腐食性を備えており、かつ熱抵抗も低いため設計の自由度が高く、産業分野での環境下だけでなく、消費者向け製品用途や、スマートシティなどに代表される住宅やビル管理システムの自動化用途においても理想的であるといえます。
     
詳細
https://ams-osram.com/products/lasers/ir-lasers-eel/osram-smt-laser-spl-s1l90h3