SOLUTION
インフィニオン、NVIDIA Jetson Thor向け認証済みTPMソリューションにより量子時代の脅威に対応するフィジカルAIセキュリティを強化
2026.6.11 5:49 pm
-2026.6.11発表-
インフィニオン テクノロジーズはインフィニオンのOPTIGA™ Trusted Platform Module(TPM)SLB 9672をNVIDIAのJetson Thorプラットフォームに統合したことを発表しました。本ハードウェアベースのセキュリティ ソリューションは、暗号鍵を安全に保管するとともに、チップ レベルでシステムの完全性を検証し、フィジカルAIシステムに向けた認証済みかつ量子耐性を備えたルートオブトラスト(信頼の基点)を確立します。
今回の統合によりセキュリティ基盤が強化され、ロボットや自律型システムがライフサイクル全体を通じて安全かつ信頼性高く動作することが可能となります。
これらのシステムが管理された環境から工場や公共空間へと展開されるにつれ、セキュリティ上の欠陥は単なるデータ損失にとどまらず、運用停止や規制上の責任問題へと直結するリスクがあります。ロボティクス業界においては、設計段階(デザインイン)でのセキュリティ アーキテクチャに関する意思決定が、長期にわたってビジネス面およびコンプライアンス面で重要な影響を及ぼします。
インフィニオンのコネクテッド セキュア システムズ事業部プレジデントであるステファン ジザラ(Stephan Zizala)は「現実世界で感知し、思考し、行動するロボットの信頼性は、その基盤となるセキュリティに依存します。インフィニオンのOPTIGA TPMは、数億台のデバイスで実証されてきたハードウェアのルートオブトラストをNVIDIA Jetson Thorプラットフォームにもたらします。この統合により、ロボットの安全かつ確実な大規模運用に不可欠な、長期運用およびリアルタイム処理の要件に対応します。さらに、ポスト量子暗号を組み込んだ当社のソリューションは、現在だけでなくロボットのライフサイクル全体にわたってセキュリティを維持できる基盤を提供します」と述べています。
NVIDIAのロボティクスおよびエッジAI担当バイスプレジデントであるDeepu Talla氏は「フィジカルAIシステムは現実世界で稼働するため、セキュリティは不可欠な基盤です。NVIDIA Jetson Thor向けに認証されたインフィニオンのOPTIGA TPMは、開発者が暗号鍵を保護し、ソフトウェアの完全性を検証するとともに、大規模なロボット群の安全な導入・展開を実現するのを支援します。これにより、安全かつレジリエントな自律型システムのためのハードウェアベースのルートオブトラストを確立します」と述べています。
EUサイバー レジリエンス法(EU CRA)、EU AI法、産業システム向けIEC 62443、さらに医療および自動車分野特有の規格などにより、ハードウェアレベルでの実証かつ監査可能なセキュリティ要件が求められつつあります。こうした規制対応ニーズに対し、インフィニオンとNVIDIAは同市場を牽引する体制を整えています。
OPTIGA TPMは、アプリケーションプロセッサから分離された物理的に独立した構造を持ち、FIPSおよびコモンクライテリア認証を取得しています。測定ブートやリモート アテステーション機能を提供し、システムの運用ライフサイクルのあらゆる段階で、ソフトウェア スタックが正当かつ改ざんされていないことを暗号的に検証できます。また、独自AIモデルの鍵保管、暗号化通信、署名付きOTA(Over-the-Air)アップデートといった機能もハードウェアレベルで保護します。
さらにOPTIGA TPMは、耐量子対応のセキュアなファームウェア更新機構によって保護された業界初のTPMであり、暗号脅威の進化に対しても侵害されにくいルートオブトラストとして設計されています。NVIDIA Jetson Thor上でフィジカルAIアプリケーションを開発する企業は、設計段階から確立されたハードウェアセキュリティ基盤により、現在および将来の暗号脅威からロボットシステムを保護することができます。
完全なポスト量子セキュリティへのロードマップは、2024年に米国国立標準技術研究所(NIST)が標準化したML-KEMやML-DSAなどのアルゴリズムを組み込んだ、インフィニオンの次世代OPTIGA TPMによって実現されます。現在OPTIGA TPMを採用する企業は、将来的にもスムーズに移行することが可能です。
これはロボティクス業界において、単なる技術的な準備にとどまらない重要な意味を持ちます。フィジカルAIを対象とした規制の枠組みはすでにPQC(耐量子暗号)への対応を義務化する方向に進みつつあり、初期のアーキテクチャ設計の判断が、導入済みのロボット群が運用期間を通じて要件を満たせるかどうか、あるいは将来的に高額なハードウェア改修を必要とするかを左右します。
ヒューマノイドロボットは、安全かつセキュアに感知・思考・動作するために、センシング、アクチュエーション、電源管理、接続性、セキュリティといった半導体機能の連携に支えられています。インフィニオンは、これらすべての機能ブロックに対応する専用ソリューションを幅広く提供しており、ヒューマノイドロボット1台あたりの半導体搭載額は約500米ドルと見込まれています。
セキュリティはもはや選択肢ではなく、現代のロボティクスを支える基盤です。インフィニオンは、将来の脅威に対する防御を構築しています。規制要件の高度化に伴い、TPMを含むセキュリティコンポーネントの占める割合は今後さらに拡大していきます。インフィニオンはNVIDIAをはじめとするエコシステム パートナーと連携し、ロボット開発者やメーカーがラボでの実証から現場でのロボット群の実稼働へと移行できるよう、産業、医療、物流分野における導入を支援しています。
インフィニオン テクノロジーズ
https://www.infineon.com/























