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オンセミがHELLAに10億個目の誘導型センサICを出荷

2023.4.28  5:49 pm

車載用X-by-Wireシステム向けセンサでの20年以上にわたる協業が大きなマイルストーンとして結実

オンセミ(onsemi、本社 米国アリゾナ州スコッツデール)は、包括的ブランドFORVIAのもとで事業を展開する国際的な自動車部品サプライヤHELLAに、10億個目の誘導型センサインタフェース集積回路(IC)を出荷したことを発表しました。オンセミが設計したこのICは、HELLAの車載用エックスバイワイヤ(X-by-Wire)システム向け非接触誘導型位置センサ(CIPOS®)技術に使用されています。
両社は25年にわたる協業を通じて、HELLAのモジュールとオンセミのICの両方を小型化し、モジュールのフォームファクタへの要求が厳しいアプリケーションに、より適合する革新的な設計手法を開発しました。
     
CIPOSは、乗用車や商用車において、アクセルペダルの検知、ステアリング、トルクセンサなどのドライブバイワイヤシステムや、昇圧およびターボ用アクチュエータに使用される誘導技術です。
オンセミが設計したICは、HELLAのソリューションの中心的エレメントであり、接続されたコイル構造とともに誘導型位置センサを形成します。このソリューションは非接触式なので、オンセミのICが提供する精度は、CIPOSシステムの耐用期間にわたって保証されます。また、CIPOS技術は浮遊磁界の影響をまったく受けないため、電動化を推進する自動車業界にとって重要な資産です。
この業界最先端の技術は、多くの主要自動車メーカに広く採用されており、その中でHELLAはアクセルペダルセンサ分野で世界市場をリードしています。
     
HELLAのセンサ事業分野の責任者であるMarco Dobrich氏は、次のように述べています。
「当社は長年にわたり、オンセミの技術と開発における専門知識の恩恵を受けており、そのおかげでCIPOSを市場最先端のセンシングソリューションにすることができました。このICの品質レベルは傑出しており、オンセミとの間で将来を見据えたキャパシティプランニングを立てることにより、厳しい市場で先を見通しながら機敏に対応できるようになります」
     
20年以上にわたる協業では、1999年に最初の車載用誘導型位置センサを順調に発売しました。それ以来、オンセミはHELLAに3世代にわたって誘導型ポジショニングインタフェースを供給してきました。各世代のデバイスは、両社がHELLA向けに共同で開発したものです。
     
オンセミで、アドバンストソリューションズ・グループのシニア・バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャを務めるスディール・ゴパルスワミ(Sudhir Gopalswamy)は、次のように述べています。
「両社のチームが互いの技術とプロセスを正確に理解していなければ、HELLAとともにこの大きなマイルストーンに到達することはできなかったでしょう。しかし、私たちはここで立ち止まることなく、すでに第4世代の誘導型位置センサ技術に取り組んでいます。この世代では、業界がかつてないほど完全自動運転に近づくため、特に自動車安全水準(ASIL-x)の領域において、システムレベルでの改善を行うことになります」
      
オンセミ(onsemi)
www.onsemi.jp