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Nexperiaが環境に優しいエネルギー自給型低消費電力デバイスを実現するエナジーハーベスト機能付きPMICを発表

2023.4.7  5:59 pm

Nexperiaが環境に優しいエネルギー自給型低消費電力デバイスを実現するエナジーハーベスト機能付きPMICを発表

DC-DCキャパシタ・コンバータにより、最大90%のBOMコスト削減を実現

必要不可欠な半導体のエキスパートであるNexperia(本社:オランダ、ナイメーヘン)は低消費電力のモノのインターネット(IoT)やその他の組み込みアプリケーションを簡素化し、性能を強化するエナジーハーベスト・ソリューションにより、電源ICの製品ラインアップを拡充すると発表しました。
高性能なパワーマネジメントIC(PMIC)の「NEH2000BY」は太陽光パネルから取得される太陽光などの環境エネルギーを利用してバッテリや蓄電用キャパシタを充電します。NexperiaのNEH2000BYにより、自給型の環境に優しい小型電子デバイスの開発が可能になります。さらに、このエナジーハーベスト・ソリューションは、毎年何十億個も生産・廃棄される電池が環境に与える影響の軽減効果もあります。
       
NexperiaのPMIC「NEH2000BY」はエナジーハーベスト・ソリューションの設計を容易にします。競合製品よりもサイズを1/20まで小型化でき、個々のアプリケーションにおける手作業の最適化も不要です。また、このPMICはインダクタを使用せずに設計されているため、PCBの設計が容易なだけでなく、全体のBOMと基板サイズが大幅に小さくなり、組立面積は12mm²で済みます。
       
高い変換効率を得るため、エナジーハーベスト・ソリューションには環境エネルギー源の変動に適応する能力が求められています。NEH2000BYは生成した電力の転送方法を最適化する適応型アルゴリズム「MPPT(Maximum Power Point Tracking)」を採用しており、平均変換効率を最適化して最大80%まで高めます。この独自のMPPTアルゴリズムがスピードと正確さを両立するため、PMICは1秒未満で環境の変化に適応することができます。
この適応スピードは現在利用可能な他のソリューションよりも大幅に速く、1日を通じた発電量の最大化、アプリケーション領域の多様化を実現します。さらに、NEH2000BYは自己最適化機能を備えており、事前のプログラミングを必要としない自律的な動作が可能なため、環境エネルギー駆動のパワー・デバイスの設計が容易になります。
      
Nexperiaのエナジーハーベスト・ソリューションは、ワイヤレスIoTノード、ウェアラブル・スマートタグ、電子棚札など、消費電力が最大数ミリワットのアプリケーションにおいて、各種環境エネルギー源から経済的にエネルギーを取得することを可能にします。
       
Nexperiaのアナログ&ロジックICビジネス・グループ担当ゼネラル・マネージャーのDan Jensenは「NEH2000BYはコスト効率の高さ、使いやすさ、コンパクトなサイズという特長を持っており、これまで以上に広範なユースケースでエナジーハーベストの導入を可能にします。そうしたアプリケーションにおいて電池交換が不要になるため、有害な廃棄物の発生が大幅に減少し、環境にとても大きなメリットになります」と述べました。
      
NEH2000BYは3 mm × 3 mmのQFN(16ピン)パッケージで提供されており、-40℃~+85℃の温度範囲で動作します。
        
Nexperiaのエナジーハーベスト・ソリューション
www.nexperia.com/product/NEH2000BY