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ザイリンクスが5G O-RAN仮想ベースバンド ユニット市場に多機能テレコム アクセラレータ カード出荷

2020.9.16  12:34 pm

ザイリンクスが5G O-RAN仮想ベースバンド ユニット市場に多機能テレコム アクセラレータ カード出荷

T1テレコム アクセラレータ カードにより、ネットワーク性能の向上と同時に CPUコア数、コスト、消費電力の大幅な削減が可能となり、簡略化され効率的な5G仮想インフラストラクチャを実現

ザイリンクス社は9月15日(米国時間)、5GネットワークにおけるO-RAN分散型ユニット (O-DU)および仮想ベースバンド ユニット(vBBU)用のT1テレコム アクセラレータ カードを発表した。
  
既に5Gネットワークに採用され、フィールドで実証されたザイリンクス シリコンおよびIPを使用して開発されたT1カードは、O-RANフロントホール プロトコルとレイヤー 1 オフロードの両方を実行できるPCIeフォーム ファクターの多機能カードとして唯一の製品である。
T1カードが備える先進のオフロード機能により、システムに必要なCPUコアの数を大幅に削減できる。T1カードを使用するO-DUは、競合製品と比較して5G性能およびサービスが大幅に向上するとともに、全体的なシステム消費電力とコストが削減される。
  
O-DUおよびvBBUソリューションは、広範囲にわたる5G仮想化サービスに対応するオープンな標準プラットフォームを提供するため、これらのソリューションへの需要は急速に拡大している。
T1カードは標準のx86または非x86サーバーに装着可能な小型フォーム ファクターのシングル スロット カードであり、5G仮想化O-DUプラットフォームに必要なリアルタイムのプロトコル処理性能を達成している。
加えて、ライン レート機能と、ハード化されたLDPCおよびTurboコーデックを使用したチャネル エンコード/デコード、レート マッチング/デマッチング、HARQバッファー管理などの演算負荷の高い機能をオフロードし、プロセッサ コアの処理能力を解放してほかのサービスを実行できるようにする。仮想化が約束する真の価値はここにある。
  
T1カードには、O-RANフロントホールと5G NRレイヤー 1の両方のリファレンス デザインを含むターンキー ソリューションや、通信事業者、システム インテグレーター、およびOEMが製品やサービスを迅速に市場に投入できるようにする事前検証済みソフトウェアがエコシステム パートナーを通じて提供され、5G の運用を簡略化する。
  
重要なチャネル コーディング機能を CPU から T1カードへオフロードすることにより、同じサーバーでアクセラレーションを使用しない場合と比較して、エンコード スループットは最大45倍、デコード スループットは23倍に向上し、CPUコア数、システム コスト、全体的な消費電力は大幅に削減される。さらに、O-RANフロントホール終端用として、50Gbpsの光ポートを使用して5G NR 4TRXの複数のセクターを100MHz OBWで処理できる。
フロントホールとL1の帯域幅には最適なスケーラビリティが確保され、サーバーにカードを追加するだけで通信タワーの数を増やすことができる。
  
ザイリンクスのワイヤード/ワイヤレス グループのマーケティング担当バイス プレジデントであるダン・マンスール(Dan Mansur)は、次のように述べている。
「ネットワーク仮想化とO-RANのトレンドは、ザイリンクスにとって絶好の機会となります。ザイリンクス T1テレコム アクセラレータ カードは標準ネットワークのディスアグリゲーション(分離)を進展させ、ザイリンクスの販路を5G市場の隅々まで広げるでしょう。エコシステム パートナー、ザイリンクスのハードウェア、IP、およびソフトウェアを緊密に連携させ、5G O-RANネットワークのイノベーションと実現を主導していきます」
  
OMDIA 社の Fixed and Mobile Infrastructure 担当プラクティス リーダーであるダリル・スクーラー (Daryl Schoolar) 氏は、次のように述べている。
「新しく、より広い帯域幅サービスに対応するため、5Gインフラストラクチャへの投資は増え続けており、拡大する帯域幅およびその要件を満たすシステム アクセラレーションを可能にするソリューションが強く求められています。O-RANおよび仮想化に対する通信事業者の関心が高まる中、ザイリンクス T1 テレコム アクセラレータ カードは、このニーズに対応すると同時に、エッジでのソフトウェアやサービスなどを実現する、時宜を得た魅力的なソリューションです」
  
  
・業界からの声
VVDN社の北米セールス部門バイス プレジデントであるサウラブ・グプタ(Saurav Gupta)氏は、次のように述べている。
「T1 テレコム アクセラレータ カードの開発において、ザイリンクスと緊密に協力できたことを誇りに思います。ザイリンクスのシリコンは業界屈指の適応性を備え、フロントホールとL1オフロード ソリューションの両方を可能にする5G IPを構築する上で欠かせない最良の基盤となっています」
  
Mavenir社のRadio Access Business Unit担当シニア バイス プレジデント兼ジェネラル マネージャーであるミカエル・ライランダー(Mikael Rylander)氏は、次のように述べている。
「Open RANは、テレコム業界におけるさまざまな企業およびソリューションに風穴を開ける画期的なネットワークです。5G Open RANに強力な機能を追加するザイリンクスのテレコム アクセラレータは、優れたハードウェアの適応性を備えているため多様なO-RAN機器と共に使用できます」
  
NOKIA社のEdge Computing Platformを率いるパシ・トイボネン(Pasi Toivonen)氏は、次のように述べている。
「データ アクセラレータ市場でのザイリンクスの実績を基に開発された5Gテレコム アクセラレータ カードに大きな期待を寄せています。当社のAirFrameデザイン チームは、ザイリンクスとの協業を継続し、成長著しい5G市場にこれらのエキサイティングかつ新しいオプションおよび機能を提供できることを楽しみにしています」
  
  
▼関連リンク
T1 テレコム アクセラレータ カード詳細
https://japan.xilinx.com/applications/wired-wireless/telco.html