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NXP、次世代高性能車載プラットフォーム向けにTSMCの5nmプロセスを採用

2020.6.15  4:18 pm

NXPの車載品質、機能安全と、TSMCの業界をリードする5nmプロセス技術の組み合わせにより、強力な「走るコンピューティング・システム」への自動車の進化をさらに加速

NXP SemiconductorsとTSMCはNXPの次世代高性能車載プラットフォームへのTSMCの5nmプロセス技術の採用のために協力することで合意したと発表しました。これにより、NXPの車載向け製品設計に関する専門知識とTSMCの業界をリードする5nmプロセス技術の組み合わせが実現し、強力な「走るコンピューティング・システム」への自動車の進化をさらに加速します。
  
TSMCとNXPは16nmプロセス技術における製品設計での豊富な実績に基づき、さらに協力関係を強化することにより、次世代車載向けプロセッサ提供に向けた5nmプロセス技術でのシステム・オン・チップ(SoC)プラットフォームの開発に着手します。TSMCの5nmプロセスの採用により、NXPのソリューションはコネクテッド・コックピット、高性能ドメイン・コントローラ、自動運転、先進車載ネットワーキング、ハイブリッド駆動制御、統合型シャーシ管理などの広範な機能やワークロードへの対応が可能になります。
  
TSMCの5nmプロセス技術は現在、量産向けとして世界で最も先進的なプロセスです。NXPはTSMCの5nmプロセス技術の強化版であるN5Pを採用し、先行の7nmプロセス世代と比較して約20%の高速化、あるいは40%の消費電力低減を実現します。また、業界で最も包括的な設計エコシステムにより、サポートされます。
  
NXPは車体制御、機能安全、車載インフォテインメント、デジタル・クラスタの分野で長年の歴史を持ち、世界をリードする車載向け製品を提供するサプライヤです。NXPの定評あるS32アーキテクチャをベースとし、5nmプロセスを使用するNXPの製品開発は、スケーラビリティや共通ソフトウェア環境を提供する新アーキテクチャを実現します。これにより、将来のクルマに求められるソフトウェアの簡素化と性能の大幅な向上を可能にします。NXPは5nmプロセス技術のコンピューティング性能や電力効率を活用し、定評あるIPにより、先進車載アーキテクチャに求められる高度な統合、パワーマネジメント、コンピューティング性能を実現するとともに、厳格な安全とセキュリティのニーズに対応します。
  

NXPの上級副社長兼車載プロセッシング担当ゼネラル・マネージャーのHenri Ardevolは、次のようにコメントしています。
「最新の車載アーキテクチャは投資の活用、展開のスケーリング、リソースの共有のために、複数のドメインにわたってソフトウェア・インフラを調和させる必要があります。NXPは複数のドメインにわたって整合性のあるアーキテクチャを使用するとともに、性能、消費電力、ワールドクラスの安全性やセキュリティにおける差別化を実現し、TSMCの5nmプロセスに基づく最高の車載プロセッシング・プラットフォームを提供することを目指しています。自動車OEM企業は複数の制御ユニットでの先進機能のよりシンプルな調和、アプリケーションのシームレスな位置特定と移植のためのフレキシビリティ、クリティカルな安全/セキュリティ状況での実行の確実性を求めています。NXPはTSMCとのパートナーシップを通じた革新的な枠組みにより、車載向け特有のこうしたメリットを提供するパワフルな半導体メーカーとしての地位を確立します」。
  
TSMCのビジネス・デベロップメント担当バイス・プレジデントのKevin Zhang博士は、次のようにコメントしています。
「TSMCとNXPの今回の協力は、車載半導体がシンプルなマイクロコントローラから、最も要求の厳しい高性能コンピューティング・システムで各種半導体と並んで使用される高性能プロセッサへと進化を遂げてきたことをまさに示すものです。TSMCはNXPと長年にわたり強固なパートナーシップを結んでおり、私たちは車載プラットフォームを市場で最も先進的な技術へと進化させるとともに、NXPの革新的製品の能力をインテリジェントな車載アプリケーション向けに活用させることに大きな期待を抱いています」。
  
NXPとTSMCはNXPの主要なお客様に向けた5nm製品の初のサンプル出荷を2021年に予定しています。
  
  
■NXPジャパン株式会社
www.nxp.jp