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ケイデンス、高精度を保ったまま10倍高速なシミュレーションを提供する大規模並列処理回路シミュレータSpectre X Simulatorを発表

2019.6.4  4:17 pm

処理規模も5倍に増強し、先端プロセスノードの大規模設計に対応

ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ市、以下、ケイデンス)は、6月3日(米国現地時間)、高精度を保ったまま10倍高速なシミュレーションを提供する大規模並列処理回路シミュレータSpectre X Simulatorを発表しました。

これはアナログ、ミックスシグナル、RF設計において25年間にも渡り業界をリードしてきたSpectreの後継製品としてお客様から期待されていたものです。新製品Spectre X Simulatorは、前世代のシミュレーション製品に比べ処理規模を5倍に増強し、ポストレイアウト検証フローにおいて数百万トランジスタ、数十億寄生素子を含む回路を効率的にシミュレーションすることを可能にします。

新製品Spectre X Simulatorに関するさらに詳細な情報については、www.cadence.com/go/spectrex をご参照ください。

新製品Spectre X Simulatorの特長は以下の通りです:

・実績のある精度: Spectre X Simulatorは、アナログ設計者が何年もの間信頼してきた過去の世代のSpectreと同等な高精度なシミュレーションエンジンを提供します。また、単一のパラメータ設定により、設計品種に対して最適な精度と処理速度のトレードオフを容易にコントロールすることができます。

・大規模並列シミュレーション: データセンターやクラウド環境を活用し、数百ものCPU上でタイムドメイン、周波数ドメインのシミュレーションジョブを分散処理することが可能です。

・高速処理: 様々な新技術および先端の計算機ハードウェアを活用し、Spectre X Simulatorは精度を犠牲にすることなく、5倍の規模のデザインに対して最大10倍処理速度を向上します。

・容易な適用環境: 業界標準であるSpectreの開発方針を継承し、Spectre X Simulatorは各ファウンドリによって認証済の既存のデバイスモデルをそのまま使用することができます。さらに、Spectre X Simulatorは、Cadence Virtuoso® ADE Product Suite, Virtuoso RF Solution, Legato™ Reliability Solution, and Liberate™ Characterization Suiteなどにおいて提供される既存のSpectre設計フローをサポートします。

・ミックスシグナル検証対応: Spectre X SimulatorはCadence Xcelium™ Parallel Logic Simulatorと統合され、Spectre AMS Designerを活用したミックスシグナル検証に対応し、ミックスシグナル動作言語や実数モデルメソドロジを完全にサポートします。

MediaTek社コメント
Ching San Wu氏(General Manager, Analog Design and Circuit Technology)
「回路の規模や複雑度に関わらず、弊社が開発する精密な回路においてアナログ検証の精度は最優先の課題です。私たちは先端5G設計においてSpectre X Simulatorを使用しました。膨大な寄生素子を考慮しなければならないポストレイアウト検証においても処理速度が7倍向上したことが確認できました。この改善された検証プロセスによって歩留まりが向上し、お客様の弊社に対する信頼を高めることができます。」

Mellanox Technologies社コメント
Yonatan Malkiman氏(VP, Advanced Solutions)
「InfiniBandやEthernet技術を使ったコンピュータネットワーク製品の世界的なリーダである弊社にとって、先端ノードでの設計を正確にシミュレーションすることは、厳しいスケジュールを厳守するうえで極めて重要な課題です。今回Spectre X Simulatorを使用したところ、従来のSpectreの精度を保ったまま、既存ソリューションと比較してパフォーマンスが10倍向上することを確認できました。」

ルネサスエレクトロニクス社コメント
後藤 信彦氏(ルネサスエレクトロニクス株式会社 ブロードベースドソリューション事業本部 共通技術開発第二統括部 デザインオートメーション部 部長)
「オートモーティブ、インダストリアル、ブロードベース産業に向けた先端設計においてアナログ検証はますます重要になっています。私たちはSpecter X Simulatorの先行評価プログラムに参加し、複数の設計データで試行したところ、Spiceレベルの精度を保持したまま処理速度が最大10倍改善されました。処理速度と処理規模の改善が求められるルネサスの製品設計において今後Specter X Simulatorを使用することを楽しみにしています。」

Silicon Works社コメント
Hyun-Kyu Jeon氏(Ph.D., Director/Laboratory Leader. R&D Laboratory)
「弊社のアナログデザインにとって、ポストレイアウト検証は非常に重要です。数千もの寄生素子を含む私たちのデザインにおいては、SPICE同様の精度、高パフォーマンス、大規模に対応してくれるシミュレータが必要です。我々は様々なベンダーのツールを評価し、その結果Spectre X Simulatorを採用することにしました。Spectre X Simulatorは、全体のシミュレーション速度を常に5倍改善し、PLLのテストにおいて検証期間を数日単位で削減してくれました。」

ケイデンス コメント
Tom Beckley (Cadence senior vice president and general manager, custom IC and PCB Group):
「Spectre X Simulatorは、信頼性の高いケイデンスのシミュレータの次世代製品として位置づけられるもので、お客様が効率的に設計を完成させ、厳しい製品スケジュール目標を達成するために必要な精度と処理速度を提供します。既に複数のお客様がSpectre X Simulatorを使用しており、大変良い結果を得られています。Spectre X Simulatorは、大規模並列処理技術、高速な処理時間、大規模データ対応などの特長を備え、先端ノードのアナログ、RF、ミックスシグナル設計向けに最適なシミュレータです。 」

■日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
 http://www.cadence.co.jp