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STマイクロエレクトロニクスがPCのジェスチャ認識、のぞき見警告、ユーザ検知機能を実現するマルチゾーン対応ToF測距センサ発表

2022.8.23  3:15 pm

STマイクロエレクトロニクスがPCのジェスチャ認識、のぞき見警告、ユーザ検知機能を実現するマルチゾーン対応ToF測距センサ発表

画像を使用せずにユーザ検知、ジェスチャ認識、のぞき見警告機能を実現し、スムーズな操作、セキュリティ強化、および低消費電力化に貢献するコスト・パフォーマンスに優れたターンキー・ソリューション

STマイクロエレクトロニクスは、マルチゾーン対応FlightSense™ ToF(Time-of-Flight)測距センサの新製品「VL53L5CP」を発表しました。同製品には、優れたアルゴリズムを備えたソフトウェア・スイートが付属しており、PC向けのユーザ検知やジェスチャ認識、のぞき見防止機能などを実現するターンキー・ソリューションを提供します。
      
STのマルチゾーン対応FlightSense ToF測距センサは、カメラや画像を使用せず、視野角(FoV:Field of View)内を連続でスキャンしてマッピングし、情報を収集します。ToF技術によって複数の対象物を検出・追跡することができ、対象物のX/Y/Z座標と動きを高速で計算することができます。
        
最新のマルチゾーン対応ToF測距センサ「VL53L5CP」は、対角61°の広い視野角を備え、64(8 x 8)ゾーンで複数の対象物を検出可能です。同製品には、ST独自のPCアプリケーション用第3世代ソフトウェア「Presence Premium PLUS」が付属しています。同ソフトウェアは、VL53L5CPの革新的な最新機能をサポートするとともに、データ保護機能の向上に貢献します。VL53L5CPおよびPresence Premium PLUSは、ターンキー・ソリューションとしてPCのハードウェアやOSの基本的な機能と連携し、Intel®社の最高レベルの認証を取得済みです。
       
VL53L5CPおよびPresence Premium PLUSは、PCアプリケーション用に最適化されており、Windows®11に対応しています。そのため、スマートなパワー・マネージメント、堅牢なセキュリティ、非接触操作など、革新的な機能をPCに実装可能です。STのユーザ検知ソリューションは、PCにおける着席時の自動ロック解除 / 離席時の自動ロック機能にいち早く採用されています。
これにより、PCのバッテリ駆動時間を最大化しつつ、「常時オン」のシームレスなユーザ体験を提供します。また、自動ロック機能は、ユーザの離席時に自動で即座にPCをロックし、不正アクセスの防止やデータ保護に貢献します。
        
さらに、複数人検知(MHD)により、視野角内にユーザ以外の人が入ったことを検出し、その位置や動きを解析してのぞき見によるセキュリティ・リスクを分析することも可能です。セキュリティ・リスクがある状況では、システムがユーザに対し、アラートを発します。
       
VL53L5CPは、堅牢性の高い非接触ジェスチャ検出機能も備えています。この革新的な機能により、ディスプレイやキーボード、マウスに触れることなくPCのアプリケーションを操作できます。スワイプやタップ、レベル調整などを検出することができるため、スライドショーや曲、動画の送り / 戻し、再生 /一時停止、音量調節などの機能を簡単に実装可能です。
         
世界的な大手テクノロジー企業でPCのリーディング・カンパニー(*1)であるLenovo社は、STのユーザ検知ソリューションを一部のノートPCに採用しています。(*2)
Lenovo社のインテリジェント・デバイス・グループ、コンスーマ & SMBノートPC開発センター バイスプレジデントであるZhaochun Ma氏は、次のようにコメントしています。
「現代における、場所を問わない柔軟なワークスタイルには、生産性の向上に貢献する使いやすさや、プライバシー保護が求められています。そのため、カメラを使わないToF測距センサをベースとしたSTのユーザ検知ソリューションをLenovo PCに採用しました。ユーザ検知を活用したハンズフリーでのログインやロック、ジェスチャ操作によるコンテンツのスワイプなどを実装することで、Lenovo PCはさらにスマートで適応性に優れたものになっています。」
       
STのPresence Premium PLUSを使用すれば、Windows上でカスタムAIアプリケーションを開発し、VL53L5CPが継続的に取得するマルチゾーン(8 x 8)のユーザ検知データを利用して、ユーザの意図を検出することも可能です。また、VL53L5CPの主要パラメータをWindowsから動的にプログラムできるため、タイミングやロック / ロック解除の距離といったパラメータをエンド・ユーザがカスタマイズできます。
      
VL53L5CPは、これらの機能をPCのウェブカメラではなく、画像を使用しないToF技術によって実現することで、さまざまなメリットを提供します。画像を使用しないため、プライバシーへの配慮が不要となるだけでなく、センサが筐体に内蔵されて常時動作しているため、ウェブカメラのようにシャッター位置に依存することもありません。また、人間の目には見えない940nmの赤外光VCSELエミッタを使用しているため、暗所や低照度の環境において優れた性能を発揮します。これに対しカメラの場合は、消費電力が大きい専用のLEDを用意して周囲を照らす必要があります。
       
STのFlightSense技術は、ユーザ検知に使用されるその他の技術を上回る優れた性能を有しています。従来の赤外線センサでは、距離を直接測定することはできず、また、対象物の色や反射率の影響を受けます。超音波センサはノイズの影響を受けやすく、ペットなどの聴覚に影響を与える可能性もあります。レーダーは、消費電力の大きな信号処理に加えて、きわめて複雑なソフトウェア開発が求められます。
       
STのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 イメージング・サブグループジェネラル・マネージャであるEric Aussedatは、次のようにコメントしています。
「STは、FlightSense ToF技術の大きな可能性を引き出し、あらゆるスマート機器で独創的な機能を実現できるよう、取り組みを続けています。第4世代となる最新のToF測距センサにより、PCがユーザの意図を理解し、ユーザとデバイス間のより強固なつながりや、充実したユーザ体験を実現します。」
       
(*1) International Data Corporation(IDC)社「Worldwide Quarterly Personal Computing Device Tracker」に基づく。
(*2) ToF測距センサは、特定の市場におけるLenovo社の特定機種にのみ搭載されます。在庫の状況によってはご購入いただけない場合があります。製品の提供状況、機能、仕様等は、予告なしに変更される場合があります。
        
STマイクロエレクトロニクス
https://www.st.com