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Ristが外観検査AI開発における工数を大幅に削減する「RPipe-Image」ベータ版をリリース

2022.5.9  6:55 pm

株式会社Rist(東京都目黒区)は2022年5月9日より、外観検査装置組込み専用のAI開発ツール「RPipe-Image」のベータ版の提供を開始します。変化の速いAIの技術革新に対応した本ツールにより、国内で増える外観検査装置メーカーのAI開発内製化のための開発コスト削減、競争優位性を高める支援を行い、日本のAIの普及に貢献します。
     
「RPipe-Image」開発前までの課題
外観検査装置のシステムは、ルールベースでの画像処理による検査から、AIによる検査まで手法が幅広くなってきています。AI開発においてはAIベンダーに外注する時代を経て、内製化の動きが活発になっています。自社製品の競争優位性を高めるためには、高精度なAI開発が求められます。最新の論文や最先端のアルゴリズムを取り入れ、自社製品に合うように試行錯誤を繰り返す必要があり、AI開発には時間・費用ともに大きなコストがかかってきます。AIの技術革新は日進月歩の進化を追いかけるだけでも大変なうえに、高精度なAI開発の内製化となると、困難なものとなっています。
       
なぜRistが「RPipe-Image」を提供するのか
今回Ristが開発した「RPipe-Image」は、上記のような課題を解決することが可能な“AIエンジニアによる、AIエンジニアのための、AI開発ツール”です。
       
Ristは、社内ではKaggle(注1)チームを設立し、実際にコンペティションでも好成績を残している世界トップレベルのエンジニアが複数在籍しています。また、Ristは創業当時より製造業への外観検査AIの導入事例を多く持ち、外観検査AI開発に強みを持っています。
今回のベータ版ではRist在籍のKaggle Grandmasterが開発に大きく携わり、Kaggleで培った技術力、知見を活かし、AIエンジニアのための痒いところに手が届くAI開発ツールとなっています。
(注1 企業や研究者がデータを投稿し、世界中の統計家やデータ分析家、またはチームがその最適モデルを競い合う、予測モデリング及び分析手法関連プラットフォーム及びその運営会社。)
             
「RPipe-Image」で何ができるのか
「RPipe-Image」は画像AIモデルの学習・評価・推論を行うソフトウェア・ツールです。外観検査装置に組み込む事を前提に設計しており、機器との連携に特化したインターフェースを提供しています。
      
AIモデルを開発するための最先端のアルゴリズムが豊富に揃っており、高頻度でアップデートされていきます。さらに、実際に開発したAIモデルの検証がスピーディーに行える機能が充実したツールです。AI開発において時間・費用のかかる工程を「RPipe-Image」を使うことで、大幅に工数の削減が可能です。Rist社内での検証にて、データを受領してからいくつかのAIモデルで学習、精度を検証してレポートを作成するまでの工数を約1/10に削減することができました。

Ristが外観検査AI開発における工数を大幅に削減する「RPipe-Image」ベータ版をリリース
AI開発時間の比較

今後の展開
今回のベータ版は1ヶ月の無償期間。2022年秋頃にさまざまな機能のアップデートとともに、正式なリリースを予定しています。
        
「RPipe-Image」サービスページ: https://www.rist.co.jp/service/rpipeimage/
        
・Ristについて
Ristは先端技術を取り入れることで社会や顧客の課題を解決し、価値提供を行います。
人工知能技術Deep Learningなどを用いて、製造業や医療、建設業をはじめとした分野で画像を用いた検査システムである「Deep Inspection」の提供や、ロボット制御からAIシステムまでを一貫して行う「Deep Robotics」、テーブルデータの分析を行う「Deep Analytics」などお客様に合わせた幅広いAIシステムをオーダーメイドで開発しています。
AIを用いたシステムの社会実装を加速させるため、2018年12月に京セラコミュニケーションシステムの完全子会社となりました。
https://www.rist.co.jp