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効率に優れたパワー半導体の開発を目指す欧州研究プロジェクト、“Power2Power”がドレスデンにて発足―インフィニオンが発表

2019.6.19  4:17 pm

大学、研究機関、小規模から中規模の企業、国際的企業が参画、インフィニオンがコーディネート

2019年6月5日、ドレスデン(ドイツ)
欧州の共同プロジェクトとしてPower2Powerが開始されました。今後3年間にわたり、8か国から43のパートナーが協同で、高出力密度と高エネルギー効率の画期的なパワー半導体の研究開発を行います。パワー半導体は、発電、送電、および電力消費のすべてのステージにおいて必要とされており、世界のエネルギー需要が高まるなかでより効率に優れた半導体は、二酸化炭素排出の削減に大きく貢献します。この共同プロジェクトには、多くの大学、研究機関、小規模から中規模の企業、および国際的企業が参画する中、インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies Dresden GmbH & Co. KG)がコーディネータを務めます。

インフィニオン テクノロジーズのCEOであるラインハルト プロス(Dr. Reinhard Ploss)は「さまざまなレベルのサプライチェーンのコラボレーションが、欧州のマイクロエレクトロニクス産業の成功の基礎です」と述べています。「私たちはPower2Powerプロジェクトでも同じアプローチで進めています。私たちはパートナーと共同でエネルギー効率に優れた新しいパワー半導体とシステムのアーキテクチャ開発に取り組んでいます。私たちのゴールは、よりわずかなエネルギーでより大きなパワーを得ることです。」

Power2Powerプロジェクトの予算規模は約7,400万ユーロとなる予定です。この予算のうち3分の2はドイツのパートナーに割り振られます。欧州連合(EU)はECSEL(Electronic Components and Systems for European Leadership)合同事業の一つとして、この共同プロジェクトに資金を提供します。またドイツからは連邦教育・研究省(BMBF)およびザクセン州とテューリンゲン州から資金が提供され、他の7か国からのパートナーにもそれぞれの国の機関からの後援が行われます。

ミヒャエル クレッチマー(Michael Kretschmer)ザクセン州首相は次のように強調しています。
「ザクセン州は欧州最大のマイクロエレクトロニクス産業の集積地です。Power2Powerをはじめとする欧州での共同開発は、シリコン・ザクセンの継続的発展にとって極めて重要です。このプロジェクトでは、イノベーションとエネルギー効率化の2つがサプライチェーンのすべてのステージにおいて考慮され追求されます。これは欧州のマイクロエレクトロニクス産業の競争力向上に大きく貢献するプロジェクトです。ドイツ連邦政府のヘルベルト ツァイゼル(Dr. Herbert Zeisel)教育・研究省(BMBF)次官は、ザクセン州におけるエレクトロニクス産業の集積が欧州のハイテク産業を支える大きな柱になっていると強調し、「この研究プロジェクトをザクセン自由州が歓迎し、支援する理由のひとつです」と述べました。

「マイクロエレクトロニクスはドイツと欧州の工業製品にとっての成功の鍵です。最近の貿易紛争は、一国の主権と独立がその国の研究開発能力に依存することを示しています。Power2Powerはグローバルな競争の中で、私たちがどのように自らを主張できるかを明らかにするものです。欧州、ドイツ、ザクセン州、およびチューリンゲン州は、ECSEL合同事業において連携した行動をとっています。ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は、ブリュッセルでの話し合いの中で、成功を収めているECSELプログラムをさらに継続し、また2020年以降はその管理体制を簡素化することを提唱していきます。」

欧州の半導体産業は数十万人を雇用しています。しかしテクノロジー関連のユーザー産業への波及効果はこれをはるかに上回ります。ECSEL合同事業のバート デ コルベネア(Bert De Colvenaer)事務局長は次のように述べています。
「急速に拡大しているパワーエレクトロニクス市場は重要な注力分野のひとつです。特にアジア勢を中心としたグローバルな競争の中で、Power2Powerによって世界市場での欧州企業の製造シェア拡大を支援し、またそのリーダーとしての位置付けをさらに強化することを目指します。」

特にドイツにおいては、Power2Powerプロジェクトは半導体生産における競争力を強化します。このプロジェクトによりパワー半導体のサプライチェーンが拡大することは明らかです。特殊なシリコンウエハ(Siltronic)から、インフィニオンによるドレスデンでのIGBT生産や同じくインフィニオンによるヴァルシュタインでのモジュール生産まで、さらに小〜中規模企業であるEAATとAVLやドレスデン工科大学によるシステムとそれに関連する知識までにわたります。

このプロジェクトのすべてのパートナーの概要はwww.infineon.com/power2powerに掲載されています。

Power2Powerのパートナーはサプライチェーン内の複数のレベルにおいて、未来にふさわしい革新的なパワー半導体生産のため、ドイツ国内においてパイロットラインを開発します。強力なパートナーシップとイノベーションへの投資を通じ、この共同プロジェクトでは高度な技術職が確保されると共に創出されます。これによりPower2Powerはドイツ連邦政府によるHigh-Tech Strategy 2025にも貢献します。
  

■インフィニオン テクノロジーズ ジャパン株式会社
 http://www.infineon.com/jp