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横田英史の読書コーナー

朱の記憶 亀倉雄策伝

馬場マコト、日経BP社

2016.1.24  12:48 pm

 社会問題化した2020年東京オリンピックのエンブレム問題。本書は、そのときにも取り上げられることの多かった1964年の東京オリンピック・エンブレムをデザインした亀倉雄策伝の評伝。亀倉の存在とその業績については、寡聞にして知らなかった。本書は東京オリンピックはもちろん、大阪万博、NTTのロゴ、リクルート社章とビルのデザイン、ニコンFのデザイン、戦中戦後のプロパガンダ活動などについて経緯や背景を紹介する。土門拳や名取洋之助、江副浩正とのエピソードも興味深い。ちなみに2020年東京オリンピックの当初エンブレムをデザインした佐野研二郎は、2014年の「亀倉雄策賞」の受賞者である。

書籍情報

朱の記憶 亀倉雄策伝

馬場マコト、日経BP社、p.328、¥1944

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。