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横田英史の読書コーナー

プライドの社会学~自己をデザインする夢~

奥井智之、筑摩選書

2013.7.2  12:00 am

 「プライドとは何か」について、自己、家族、地域、階級、用紙、学歴、教養、宗教、職業、国家と10の切り口から解き明かした社会学の書。プライドといえば心理学的な側面から語られることが多いが、実は「社会的な事象なのではないか」というが本書の出発点である。悪くない建てつけだが、10の切り口と六つの素材、全部で60の独立した小話というのは、どう考えても多すぎる。細切れの話が連続し、全体に散漫な印象を受ける。文章も社会学の大学教授らしく分かりづらい。話が行きつ戻りつし、筆者の主張が迫力を持って伝わってこない。狙いが悪くないだけに残念である。

書籍情報

プライドの社会学~自己をデザインする夢~
奥井智之、筑摩選書、p.256、¥1,680

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。