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STマイクロエレクトロニクス、マス・マーケット向けのトラッカー/ナビゲーション機器を対象としたROMベースのGNSSモジュールを発表

2019.6.21  3:52 pm

STマイクロエレクトロニクス

コスト要求の厳しいトラッカーおよびナビゲーション機器向けに、STの完全なGNSSアルゴリズム技術を提供

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、GNSS製品ポートフォリオを拡充するROMベースのTeseo-LIV3Rモジュールを発表しました。価格競争力に優れたこのモジュールは、コスト要求の厳しいトラッカーおよびナビゲーション機器向けに、STの完全なGNSSアルゴリズム技術を提供します。

STの新しいGNSSモジュールは、走行距離計の機能(距離計3個、到達距離を通知するアラート機能を含む)およびジオ・フェンシング機能(最大8個の範囲円を設定可能、越境時のアラーム機能を含む)を搭載しています。また、リアルタイム型のアシステッドGNSSに対応しており、サーバに常時接続することで途切れなく位置データを取得し、信頼性の高いナビゲーションを実現できます。

衛星航法補強システム(S-BAS)とRTCM(1) V3.1準拠の差動測位を使用し、複数の衛星測位システム(GPS、グロナス、北斗および準天頂衛星)を同時に追跡することで、1.5メートル以下(50% CEP(2))という優れた精度を実現します。-163dBmのトラッキング感度と1秒未満のTTFF(初期位置算出時間)により、過酷な用途でも高い性能を確保できます。また、同モジュールは使いやすく、NMEA(3) コマンドにも対応しています。

Teseo-LIV3Rは、測位精度、平均消費電流、測位頻度に応じた消費電力の調整が可能になっており、RTCによるバックアップを使用したスタンバイ・モード(15µA以下)と複数の低消費電力モードを搭載しているため、バッテリによる長時間駆動が求められる機器に最適です。低消費電力モードには、連続的に測位を行いながら不要な衛星を適宜オフする適応型や定期的にオン・オフを繰り返すサイクル型、GPSのみで設定期間ごとに測位する間欠型、スタンバイ状態を維持しながら要求時のみ測位するオンデマンド型などがあります。

Teseo-LIV3Rは、製品開発の簡略化や期間短縮のため、FCCの承認をすでに取得しているほか、STM32 Open Development Environmentに対応しています。
先進的な位置情報技術、スマート・トラッキング、およびサーバ・ベースのアシステッドGNSSに対応したSTM32アプリケーションの利用に加え、EVB-LIV3x評価ボードとX-NUCLEO-GNSS1A1拡張ボードが用意されているため、このハードウェアを用いて開発を迅速に進めることができます。また、PC用のツールであるTeseo Suiteを使用することで、デバイスの設定や性能の最適化が簡単に実行できます。さらに、開発者はSTのGNSSコミュニティに参加することで、情報を共有してこの分野の理解を深めることが可能です。

Teseo-LIV3Rモジュールは現在量産中で、LCC18モジュール(9.7 x 10.1mm)で提供されます。単価は1000個購入時に約7.30ドルです。

詳細については、https://www.st.com/ja/positioning/gnss-modules.htmlをご覧ください。

(1)RTCM:Radio Technical Commission for Maritime Services(米国海上無線技術委員会)
(2)CEP:平均誤差半径
(3)NMEA:National Marine Electronics Association(全米舶用電子機器協会)

・問い合わせ先
 STマイクロエレクトロニクス株式会社
 オートモーティブ & ディスクリート製品グループ
 TEL: 03-5783-8260 FAX: 03-5783-8216

■STマイクロエレクトロニクス株式会社
 http://www.st.com