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NXPが新しいi.MX 95 アプリケーション・プロセッサ・ファミリで、安全、セキュア、スケーラブルなAI搭載エッジ・プラットフォームを実現

2023.1.13  6:33 pm

NXPが新しいi.MX 95 アプリケーション・プロセッサ・ファミリで、安全、セキュア、スケーラブルなAI搭載エッジ・プラットフォームを実現

NXP Semiconductorsはi.MX 9アプリケーション・プロセッサ・シリーズの最新製品としてi.MX 95ファミリを発表しました。新しいi.MX 95ファミリは高性能コンピューティング、イマーシブなArm® Mali™テクノロジ採用3Dグラフィックス、革新的な機械学習用のアクセラレータ、高速データ・プロセッシング機能を兼ね備えています。こうした機能を組み合わせることで、自動車、産業、ネットワーク、コネクティビティ、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)などにおいて先進的なアプリケーションを実現することができます。さらに、i.MX 95ファミリは自動車機能安全規格のASIL-Bと産業用機能安全規格のSIL-2に準拠するよう開発され、EdgeLock®セキュア・エンクレーブを含む高性能な安全/セキュリティ機能を提供します。
     
エッジ・アプリケーションは今後、環境をより的確に分析しインテリジェントな意思決定をローカルで行うために、高度なプロセッシングと機械学習、高速コネクティビティ機能が不可欠です。i.MX 95ファミリはNXPのeIQ Neutronニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)と新たに開発したイメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)を統合した初のi.MXアプリケーション・プロセッサ・ファミリとなり、強力な次世代エッジ・プラットフォームを構築する開発者をサポートします。
       
NXPの上級副社長 兼 セキュア・コネクテッド・エッジ担当ゼネラル・マネージャーのRafael Sotomayorは次のようにコメントしています。
「i.MX 95ファミリはセキュリティと安全性が重要視される自動車や産業などの市場に革新的な機能と性能をもたらします。i.MX 95はNXP eIQ Neutron NPU、Arm Maliグラフィックス、ヘテロジニアス・セーフティ・ドメイン、ネットワーク機能が統合された、画期的なソリューションです。NXPは機能安全における深い専門知識とAIアクセラレーション、高性能CPUコア、高スループットのコネクティビティを組み合わせることにより、安全でセキュアな新世代エッジ・プラットフォームの標準を構築します。」
      
・拡大するマシン・ビジョン機能
i.MX 95ファミリは複数のカメラ・センサやネットワーク接続されたスマート・カメラと共に使用する画像処理パイプラインの一部に、統合されたeIQ Neutron NPUを用いてマシン・ビジョンを実現します。i.MX 95 SoCは各種イメージ・センサをサポートするNXP ISPを搭載しており、産業、ロボット、医療、自動車において画像処理を使用したアプリケーションを可能にします。これらはいずれもNXPの包括的な開発サポートの対象となっています。ユーザー向けの豊かで鮮やかなグラフィック体験はArm Mali GPUの機能によって実現され、マルチディスプレイの車載インフォテインメントから産業やIoT HMIベースのアプリケーションにまで拡張可能です。
      
・高性能コンピューティングとセーフティ対応プラットフォーム
i.MX 95ファミリの機能は最大6個のArm Cortex®-A55コアで構成されるマルチコア・アプリケーション・ドメインと、高性能なArm Cortex-M7とArm Cortex-M33 CPUで構成される独立したセーフティ・ドメインがあり、これらは低消費電力でリアルタイムの高性能プロセッシングを実現しています。i.MX 95ファミリはISO 26262 ASIL-Bと IEC 61508 SIL-2 準拠のプラットフォームを実現する設計となっており、統合された機能安全ドメインとともにさまざまな車載アプリケーションや産業アプリケーションで重要な役割を担います。i.MX 95をベースとしたプラットフォーム採用により、音声警告、表示機器、カメラなど、自動車におけるセーフティ・クリティカルな動作をお客様の設定した高い信頼性基準に準拠させることが容易になります。同様に、産業用ファクトリー・オートメーション用プラットフォームの場合、システムが故障した場合でも、機能安全ドメインによってシステムは既定の状態に戻ることが可能となります。
       
・エッジ・プラットフォームのコネクティビティ
インダストリー4.0向けの次世代エッジ・プラットフォーム、車載コネクティビティ・ドメイン・コントローラー、IoTスマートホーム・ゲートウェイ対応のためTSN機能を備えた10ギガビット・イーサネット・ポートと2つの1ギガビット・イーサネット・ポートが備わっています。2つの独立したPCIeポート、3つのUSB ポート、NXPの幅広いワイヤレス接続ソリューション用の統合BSPレベルのドライバを準備しているため、Wi-Fi、Bluetooth LE、衛星ラジオ、5Gなどのワイヤレス接続が簡単に追加可能です。i.MX 95ファミリのアプリケーション・プロセッサをベースとする拡張性と堅牢な処理機能を持つ次世代プラットフォームはローカル/ネットワークの安全なデータ処理に貢献することができます。
       
・容易に実装可能な先進セキュリティ
エッジ・アプリケーションではセキュリティが重要な基盤となります。i.MX 95ファミリはセキュア・ブート、暗号化、トラスト・プロビジョニング、ランタイム認証などの重要なセキュリティ機能の実装を容易にするセキュア・エンクレーブを搭載しています。NXPのEdgeLock 2 GO鍵管理サービスと組み合わせることで、お客様はSoCベースのi.MX 95ファミリ製品を安全にプロビジョニングし、安全なOTA(Over-The-Air)など、使用されているデバイスの安全なリモート管理を実現することが可能です。
     
その他詳細:
・NXPの eIQ Neutron NPUと機械学習アプリケーションの開発は、受賞歴のあるeIQ機械学習ソフトウェア開発環境によってサポート
・NXPの ISPはマシン・ビジョン・アプリケーションに最適化されており、2か所の対象領域(Region of Interest: ROI)、2種類の露光を用いたHDR結合、高度なノイズ除去とエッジ強調をサポートするほか、カラー、モノクロ、RGB-IRカメラ・センサに対応
・NXP SafeAssureにより、開発者は非常に厳格な国際安全規格(ISO 26262とIEC 61508)に準拠したi.MX 95ベースのプラットフォーム開発を進めることが可能
・オンザフライのメモリ暗号化により、安全なデータ処理を実現し、幅広いアプリケーションでプライバシーとセキュリティの確保を両立
・幅広い規格をサポートする暗号専用エンジンにより、次世代の車載V2Xアプリケーションを実現
・i.MX 95ファミリはNXPの革新的なEnergy Flexアーキテクチャを実装しており、Cortex-Aアプリケーション・ドメインとリアルタイムCortex-Mセーフティ・ドメインのきめ細かで独立した電力管理が可能。これにより開発者はセンサ・データ監視用のリアルタイム・セーフティ・ドメインを常時稼働させながら必要なときだけアプリケーション・ドメインを動作させることにより、システムレベルで消費電力を最小限に抑えることが可能
・LPDDR5/LPDDR4X DRAMをサポートしているため、コンピューティング・ドメインや高性能グラフィックスに必要な広帯域を確保し、お客様のニーズに合わせた柔軟なメモリ選択が可能
・i.MX 95ファミリは消費電力、性能、アプリケーション要件やお客様のプラットフォームに求める価値に応じて、さまざまなオプションを提供
     
NXP Semiconductors
www.nxp.com