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STマイクロエレクトロニクス、電力線通信に向けたG3-PLCチップセット用開発ツールセットを発表

2019.7.12  11:52 am

公共インフラのスマート・メータ開発で実績のあるST8500/STLD1チップセットを搭載した評価キットが含まれ、スマート機器のネットワークへの接続が可能

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、すぐに使用できる電力線通信(PLC)用の新しい開発ツールセットを発表しました。この開発ツールセットには、PLCアプリケーションの構築と動作に必要なすべてのハードウェア / ソフトウェア・コンポーネントが含まれており、ターンキー電力線ネットワークの開発期間を短縮します。

この新しい開発ツールセットには、公共インフラのスマート・メータ開発で実績のあるST8500/STLD1チップセット(PLCモデム・システム・オン・チップ ST8500およびデュアル・ライン・ドライバ STLD1)を搭載した評価キットEVALKITST8500-1が含まれており、スマート機器のネットワークへの接続が可能になります。

ハードウェア、ソフトウェア、ドキュメントで構成されるこの開発ツールセットには、最大500kHzのすべての周波数帯域に対応したG3-PLC(1) 通信用の認証済みプロトコル・スタック(CENELEC-A、CENELEC-BおよびFCCの帯域で認証済み)、IPv6による拡張可能なネットワークを実現する6LowPAN適応層、さらに、PANコーディネーターとデバイス・ノード用のシングル・モデム・プロトコル・エンジンおよびリアルタイム・エンジンのファームウェア・イメージなどが含まれています。自己適応型のメッシュ・ネットワークにも対応しており、電気ノイズの多い環境でも使用できるとともに、256bitキーにまで対応した最新のAES暗号化エンジンでサイバー・セキュリティも強化されています。

さらに、この開発ツールセットには、ST8500/STLD1チップセット向けに汎用32bitマイクロコントローラSTM32*をベースとしたオープンソースのファームウェア・フレームワークが用意されており、アプリケーション・ファームウェアをすぐに開発して統合することができます。

STM32用アプリケーション・サンプルには、インジケータLEDの遠隔制御、RTC(リアル・タイム・クロック)の設定、ノード間でのpingおよび文字データの送信などが含まれています。また、アプリケーション・ファームウェアのサンプルには、ST8500で動作するG3-PLC通信層の6LowPAN適応層上位にUDP/IPv6プロトコルが実装されています。

この開発ツールセットには、PCベースのGUIであるSTのSTSW-SGKITGUI
SmartGrid LabToolも含まれており、EVALKITST8500-1のハードウェアの設定および制御、アプリケーション・コマンドの実行、ファームウェアのアップグレードなどが簡単に行えます。STM32 Firmware User Manualや、G3-PLC Host Interface Driverアプリケーション・ノートといったサポート・ドキュメントも利用できます。

この新しい開発ツールセットの使用を通じて、STの長期にわたる電力線技術への取り組みの成果と幅広い製品ポートフォリオの活用が可能になり、スマート・ホーム、スマート・ビルディング、スマート・シティ、スマート・インフラ、スマート・エネルギーなどのアプリケーションにおいて、革新的で将来の変更にも対応可能な製品とサービスを実現することができます。
ST8500/STLD1チップセットは、ハードウェアの能力、高い演算処理性能、低消費電力、内蔵ペリフェラル、将来の変更にも対応可能な製品サポートといった特徴により、スマートグリッドやIoT関連の主要企業に採用されています。

この開発ツールセットは、ウェブサイトから無償でダウンロードできます。
( https://www.st.com/ja/evaluation-tools/evalkitst8500-1.html?icmp=tt11874_gl_pron_jun2019 )

(1)G3-PLC:G3-PLC Allianceによって管理されている電力線通信規格

・問い合わせ先
 STマイクロエレクトロニクス株式会社
 アナログ・MEMS・センサ製品グループ
 TEL: 03-5783-8250 FAX: 03-5783-8216

■STマイクロエレクトロニクス株式会社
 http://www.st.com