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ケイデンスとSamsung、3nmミックスシグナルチップ設計を加速

2021.9.9  4:31 pm

Samsungとケイデンス、データセンター、ネットワーキング、5G、モバイル、産業、車載アプリケーション向けミックスシグナルデザインのシームレスな実装と検証を可能にするOpenAccess対応ミックスシグナルPDKを共同開発

ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市)は、9月8日(米国現地時間)、Samsung Foundryの28FDSからGAAベース3nmまで、幅広いSamsungのプロセステクノロジーに対応する、OpenAccess対応ミックスシグナルプロセスデザインキット (MSOA PDK) のテクノロジーファイルの提供に関してSamsung Foundryと協業したことを発表しました。
     
OpenAccess対応ミックスシグナルPDKにより、ケイデンスのカスタム設計およびデジタル設計ツールとSamsung のプロセステクノロジーのシームレスな相互運用が確保され、開発期間を短縮できます。また、OpenAccess対応ミックスシグナルPDKは、データセンター、ネットワーキング、5G、モバイル、産業、車載アプリケーションの生産性を向上します。
    
Samsung プロセステクノロジー向けOpenAccess 対応ミックスシグナルPDK には、ケイデンスデジタルツールであるInnovus™ Implementation System、Genus™ Synthesis Solution、Liberate™ Characterization Suite、Tempus™ Timing Signoff Solution、Voltus™ IC Power Integrity Solution、Quantus™ Extraction Solution、Physical Verification System、Tempus™ Timing Signoff Solution、Voltus™-Fi Custom Power Integrity Solution、Litho Physical Analyzerが含まれます。
また、カスタムツールであるVirtuoso® ADE Product Suite、Virtuoso Schematic Editor、Virtuoso Layout Suite、Virtuoso Layout Suite Electrically Aware Design (EAD)、Spectre® X Simulator、LDE Electrical Analyzerが含まれます。
    
VirtuosoやInnovusプラットフォーム上でOpenAccess 対応ミックスシグナルPDKを使用することにより、設計者はOpenAccess データベース上でミックスシグナルデザインにシームレスにアクセスできます。この共同設計メソドロジーは、チッププランニング、設計、インプリメンテーション、物理検証、サインオフに関するアナログチームとデジタルチーム間の責任の共有や協業を促進し、全体的な生産性や設計スループットを向上します。

OpenAccess対応のミックスシグナルPDKにより以下のフローを使用することが可能です:
  • 高度なフロアプランとピン最適化: Virtuoso プラットフォームにおいてコンストレイントドリブン配置機能を使用して、慎重に扱うべきアナログ部分の設計を事前に検討し、その後Innovusプラットフォームでそのデザインを開いてデジタルブロックのタイミングドリブン配置を行うことが可能。また、階層ブロックのピン位置の修正、移動がどちらのプラットフォームからも可能で最適な配線が可能。
  • 強力なブロック・チップ配線機能: カスタム設計ツールを使用して慎重に扱うべきアナログネットを事前に配線してから、残りの配線をインデザインDFMのホットスポット検出および自動修正機能を備えた高速なタイミングドリブン配線機能を使用して完了することで、DFMサインオフのサインオフ必須要件を満たすことが可能。
  • 強力なスタティックタイミング解析 (STA): InnovusおよびTempusソリューションはミックスシグナルデザインのタイミングパス上にある論理セルを自動的に認識し、タイミングに影響を与えないアナログ回路を考慮せずタイミング解析を実行。
  • 強力なEM-IR解析: 新しい階層的アプローチにより、ミックスシグナル設計において高速なエレクトロマイグレーションIRドロップ (EM-IR) 解析が可能。

Samsung Electronics社コメント
Jongwook Kye氏 (Vice president, Foundry Design Enablement)
「当社は、ケイデンスのOpenAccess 対応ミックスシグナルPDKを認定し、当社のIP設計者はVirtuosoフローおよびInnovusフローの相互運用性の利点を活用し内部設計を行っています。このフローは間もなくお客様も利用可能となり、当社のさまざまなプロセステクノロジー上で高品質なデザインを作成することが可能になります。今回の協業は、ケイデンスとともに進める革新のさらなる進展を象徴するものであり、生産性を向上させて設計プロセスを速めるために必要なツールをこれからも使用できることをお客様に対して保証するものです。」
   
ケイデンス・コメント
Michael Jackson (Corporate vice president, R&D in the Digital & Signoff Group)
「Samsungとの協業により、新しいアプリケーションに向けたミックスシグナルデザインの開発を効率化するOpenAccess対応ミックスシグナルPDKを開発しました。お客様は、この新PDKによりケイデンスのデジタル設計ツール、カスタム設計ツール、そしてSamsungのプロセステクノロジーを利用してPPA (Power, Performance, Area) を向上させ、厳しい製品投入スケジュールに合わせて新デザインを実現できます。」
    
ケイデンスのデジタルおよびカスタム設計フローはCadence Intelligent System Design™戦略を支え、卓越したシステムオンチップ (SoC) 設計を可能にします。Samsung テクノロジー向けのOpenAccess 対応ミックスシグナルPDK に関する詳細についてはwww.cadence.com/go/Samsung3nmMSをご参照ください。