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アナログ・デバイセズがミリ波5G対応の新チップセット発表

2022.3.31  5:52 pm

アナログ・デバイセズがミリ波5G対応の新チップセット発表

5G NR FR2周波数帯に完全に対応し、無線回路の簡素化、小型化を実現

想像を超える可能性を実現するアナログ・デバイセズ社は、ミリ波5G NR FR2*周波数帯に対応するフロントエンドチップセットを発表しました。このチップセットは、設計の複雑さを低減し、より小型で万能な無線回路を迅速に市場に投入することが可能となります。チップセット4種類の高度に統合されたICで構成され、24〜47GHzミリ波5G無線に必要な部品点数を大幅に削減できる包括的なソリューションです。
      
ミリ波5Gの展開が世界的に進む中、事業者は展開コストを削減しつつ、よりエネルギー効率が高く、軽量で信頼性の高い無線でネットワーク網を拡張していかなければならないというプレッシャーに直面しています。品質や性能に妥協することなく、複数の周波数帯で設計を流用できる、非常にリニアかつコンパクトで電力効率の高い、広帯域に対応する製品が求められています。アナログ・デバイセズのミリ波5Gフロントエンドチップセットにより、通信機器メーカーは、それまでのナローバンドシステムを超え、ワイドバンドのRFシステムの実現が可能になります。そこでは、広帯域RF回路の高性能化と設計リソース増大のトレードオフ、さらにパッケージング、テスト、熱設計における課題なども解決します。
       
新たなチップセットは、最新CMOSプロセスによる2種類のシングル・チャンネル(1T1R)アップ/ダウンコンバータ(UDC)と、2種類の16チャンネル水平/垂直偏波ビームフォーマで構成されています。ビームフォーマが提供する電力効率やリニアな出力により、競合ソリューションと比較して、ミリ波フェーズド・アレイ設計のサイズ、重量、電力、コストの削減につながります。フル周波数帯域で高RF出力のUDCは、後段に周波数別に置かれていたRFドライバ段の回路を取り込むことができ、部品点数の削減が可能になります。
このチップセットに内蔵する不揮発性メモリ(NVM)は、フェーズド・アレイのキャリブレーションを、従来から行われてきた工場製造時の調整に加え、フィールド設置後のオンライン調整も可能になりました(特許取得済)。これにより通信機器メーカーは、ビームフォーマの工場出荷時調整によるパラメータ固定後も、フィールド設置環境に依存したビームフォーマの再最適化が可能になります。

アナログ・デバイセズのミリ波5Gフロントエンドチップセットには以下が含まれます。

  • ADMV4828:単一のICで24〜29.5GHzをカバーする16チャンネルのビームフォーマ。12.5dBm超の出力をEVM3%、400MHz 64QAM 5G NR波形、310mW/チャンネルの電力消費で実現。https://www.analog.com/jp/admv4828
  • ADMV4928:単一のICで37〜43.5GHzをカバーする16チャンネルのビームフォーマ。11.5dBm超の出力をEVM3%、400MHz 64QAM 5G NR波形、340mW/チャンネルの電力消費で実現。https://www.analog.com/jp/admv4928
  • ADMV1128:24GHz〜29.5GHzの広帯域UDC。オプションでオンチップRFスイッチとハイブリッド、x2 /x4 LO乗算器モード&ベースバンドIQ対応。https://www.analog.com/jp/admv1128
  • ADMV1139:37GHz〜50GHz広帯域UDC。単一ICで今後の47GHz帯および37〜43.5GHz 5G NR帯に対応。オプションでオンチップRFスイッチとハイブリッド、ベースバンドIQ対応。https://www.analog.com/jp/admv1139
アナログ・デバイセズがミリ波5G対応の新チップセット発表

ミリ波シグナル・チェーンソリューションを長年にわたり提供してきたアナログ・デバイセズの社内リソースによる品質管理とパッケージ開発を通じて提供されるICにより、機器メーカーの開発エンジニアは、高信頼性、最適化、カスタマイズ可能な5G RF回路設計を実現できます。
     
アナログ・デバイセズ
https://www.analog.com/jp