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アナログ・デバイセズがサクラテック社と非接触型振動センサー「miRadar® CbM」を共同開発

2021.10.12  1:35 pm

想像を超える可能性を実現するアナログ・デバイセズ株式会社(本社:東京都港区)は、アライアンスパートナーのサクラテック株式会社(本社:神奈川県横浜市)と、非接触で機械振動の測定を可能にする新しいセンサー「miRadar® CbM」を共同開発しました。本製品はミリ波レーダー技術を応用し、機械共振の影響がなく、高精度で広帯域の振動測定を実現しました。さらに、高温になる機械など対象物の環境影響を受けない点などが特長です。
    
プラント設備や機械メンテナンスにおいて、振動を測定することで状態監視を行う新しいメンテナンス方式「CbM/Condition-based Maintenance」(状態基準保全ともいう、以下CbM)が普及しつつあります。
現在、CbMにおける振動測定の多くは、加速度センサーを機器に装着することで測定を行っています。加速度センサーを機械に装着する際、固定方法、バッテリーなどの重量物、ケーブルの取り回しなどが機械共振に影響しますが、これらは高周波振動(例:10kHz超)になるほど抑制が困難になります。さらに、機械自身が高温になる場合はセンサーの装着が困難などの課題がありました。
     
miRadar® CbMで実現した、ミリ波レーダーによる非接触センシングは、これらの課題解決に大きく貢献します。非接触で、数10ナノメーターの高精度な変位量測定、40kHz(100G時)までの高周波振動センシングが可能になりました。非接触のため、従来加速度センサーの装着が困難であった、高温になる機械などの測定も可能です。
     
サクラテック代表取締役の酒井文則氏は、次のように述べています。
「今回、ミリ波レーダー技術で微小振動を捉える心拍・呼吸センサーの開発ノウハウを活かし、さらに周波数が高く、極微小な振動を非接触で解析するセンサーを発表することができました。本センサーは、より早く機械設備の故障予知が可能となり、機械設備の予知保全に役立つものと期待しています。」
     
miRadar® CbMの特長
 ・非接触計測距離(5m以下、距離は振動する機械の大きさに依存)
 ・高周波・広帯域計測(最大40kHz、100G時)
 ・極微小変位計測(最小30nm、振動ピーク検知時)
 ・機械共振の配慮が不要
 ・悪環境下測定(高温の機械も測定可)

アナログ・デバイセズがサクラテック社と非接触型振動センサー「miRadar® CbM」を共同開発

本製品には、アナログ・デバイセズが新開発したミリ波レーダー・トランシーバが採用され、このトランシーバーが持つ、高速・高精度のFMCWランプ信号発生器が振動センサー性能に大きく貢献しました。
    
アナログ・デバイセズミリ波レーダー・トランシーバ製品の特長
 ・76~81 GHzミリ波レーダー周波数に対応
 ・最大5GHzの周波数帯域幅
 ・3送信、4受信
 ・フルデジタルPLL 内蔵
 ・5GHzを10usで掃引可能な高速ランプ信号発生
    
    
本製品は、サクラテックと株式会社マクニカ アルティマ カンパニーより販売予定です。
    
    
・サクラテックについて
サクラテックは、2008年10月の創業以来、マイクロ波/ミリ波センサーを開発する会社として Ultra-wide band技術の研究開発を中心に進めてきました。この技術を活かして、安全・安心な社会に役立つ自動車用レーダー、侵入監視レーダー及び、健康管理用レーダー等の製品開発に努めております。社会と融和し、いつでもどこでも身近な世界をセンシングする電波センサーの開発を通して、未来の生活を豊かする継続的な社会の実現を目指します。
http://www.sakuratech.jp
     
アナログ・デバイセズ
https://www.analog.com/jp