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CEVAが超広帯域プラットフォームIPコアを発表、ワイヤレス通信のラインアップがますます拡充

2021.7.6  5:29 pm

CEVAが超広帯域プラットフォームIPコアを発表、ワイヤレス通信のラインアップがますます拡充

モバイル、自動車、民生機器、IoTの各種用途に最適な超低消費電力のRivieraWaves™ UWBプラットフォームIPコアの登場で、チップ設計時にUWB搭載を検討する企業の市場参入が容易に

CEVA,Inc.は本日、IEEE802.15.4z規格に準拠し、FiRa Consortiumの仕様に沿った超低消費電力のUWB(超広帯域無線通信)ターンキー型MAC層・PHY層プラットフォームIPコアであるRivieraWaves™ UWBを発表しました。RivieraWaves UWBプラットフォームIPコアは、セキュリティを高めたセンチメートル単位の高い精度を備え、ToF(Time of Flight)測距やAoA(電波到来角度)処理によるロバスト性に優れた測位を実現します。
   
CEVAでは、IoTデバイス向けに業界トップクラスのワイヤレス通信IPコアのラインアップを揃えており、このたび新たに仲間入りしたRivieraWaves UWBプラットフォームIPコアは、大切な資産や紛失物をピンポイントで探し出すタグやドアロックの安全なデジタル・キー機能、リアルタイム位置情報システム(RTLS)、決済システムなど、超低消費電力が求められる幅広い用途や製品に理想的です。
   
UWBは、近年スマートフォンの有力ブランドに採用されたことを機に爆発的に普及しており、ABIリサーチの予測によれば、2025年までに年間10億台近いUWB搭載機器が出荷される見通しです。RivieraWaves UWBプラットフォームIPコアは、電力最適化ハードウェアPHY(物理)層に、柔軟な低遅延のハードウェアとソフトウェアのMAC層を組み合わせた構成を採用しているため、UWB対応機器の開発を検討する半導体メーカーやIoT企業が市場参入する際のハードルを下げ、製品化期間の短縮に寄与します。
MAC層ソフトウェアは、CEVA-BX1 DSPに実装し、方向探知や測位、レーダーなどの他の通信ワークロードやモードと組み合わせて利用できるほか、商用のArm MCUやRISC-VのMCUでスタンドアローンのUWB MACとしても利用できます。柔軟性に優れた無線インターフェイスを搭載しているため、RivieraWavesのUWBプラットフォームIPコアに、お客様独自の無線技術やCEVAのパートナー各社のRFIPコアを組み合わせて導入できます。
さらに、RivieraWaves UWBプラットフォームIPコアは、超低消費電力の適用領域向けに設計されており、特にRivieraWaves Bluetooth IPコアと組み合わせたときにクラス最高水準の性能と経済性を発揮します。この独自の組み合わせが特長のIPコアは業界初で、両規格を生かした最先端の用途や適用領域に向いています。
      
CEVAのワイヤレスIoT事業部バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャー、Ange Aznarは次のように述べています。
「最近、スマートフォンやアクセサリー、その他の民生品、IoT機器でのUWB技術の採用が呼び水となって、UWB需要は空前の高水準にあります。こうした急成長市場に対応するために今回当社が発表したRivieraWaves UWBプラットフォームIPコアは、ライセンス方式でソリューションを提供できるため、チップ設計にUWB技術の採用を検討する企業にとっては、市場に参入しやすくなるメリットがあります。UWBとBluetoothを組み合わせたライセンス方式の製品を提供できる企業は当社以外にありません。このため、当社は、ワイヤレス通信IPコアの有力開発企業・ライセンサーとして、業界屈指の地位をさらに強固なものとしました」
    
    

RivieraWaves UWBの特長

  • MAC層・PHY層ともに、FiRa Consortiumの要件に基づき、IEEE 802.15.4zHRPで強化された測距とセキュリティに対応
  • 低消費電力型ハードウェアPHY層は、電力最適化同期に対応する高感度コヒーレント受信器を搭載、複数アンテナを使ったセンチメートル単位の高精度測距とAoA推定をサポート
  • 移植性に優れたMAC層ソフトウェアは、暗号化・認証(CCM AES)や鍵管理、自律ACKハンドシェイク、その他のリアルタイムの重要な処理をハードウェアにオフロード
  • FiRaの各種測距シナリオに対応する柔軟性に優れた低消費電力モード
  • FiRaが標準化するUWBコマンド・インターフェイス(UCI)を採用し、アプリケーション・レベルのソフトウェアのインターフェイスを簡素化
  • 各種無線に対応した設計で、柔軟性に優れたデジタル無線インターフェイス
  • スタンドアローンのUWB IPコアとしてだけでなく、RivieraWaves BluetoothプラットフォームIPコアとの組み合わせにも対応

CEVAでは、今回発表したRivieraWaves UWBプラットフォームIPを始め、Wi-Fi(アクセス・ポイントのスキャン用)、Bluetooth(AoA/AoDやHADMによる測位用)、Dragonfly-GNSS(セルラーIoT/LPWA向けのGNSSを利用したスナップショット測位用)、VSLAM(カメラを利用した自己位置推定用)、MotionEngine Scout(IMU利用による自律航法)など多彩な測位ソリューションを取り揃えています。