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CEVAが5G-Advancedなど大規模コンピュート要件に対応し最高水準の性能・効率を誇るDSPアーキテクチャーを発表

2023.3.8  6:50 pm

CEVAが5G-Advancedなど大規模コンピュート要件に対応し最高水準の性能・効率を誇るDSPアーキテクチャーを発表

CEVA,Inc.は本日、第5世代のCEVA-XC DSPアーキテクチャーとなる最高効率・最新のCEVA-XC20を発表しました。
     
DSP分野のリーダーとしての実績を生かして誕生したCEVA-XC20は、画期的なベクトル処理によるマルチスレッド対応の大規模コンピュート技術をベースにしたものです。スマートフォン、ハイエンドの拡張モバイル・ブロードバンド通信(eMBB)デバイス(固定無線アクセス・システムや産業用端末など)、セルラー・インフラ向け機器(基地局、仮想化DUアクセラレーター、Massive-MIMO無線通信のビームフォーミング処理など)といった幅広いユースケースを対象に次世代規格「5G-Advanced」のワークロードに対応します。CEVA-XC20アーキテクチャーは、業界トップクラスの電力効率を誇り、SoCやASICの設計に採用した場合、小型化や省エネ化が可能な環境配慮型プロセッサーの設計が実現し、結果的に環境や社会に直接的にプラスの効果をもたらします。
     
通信分野の調査会社であるABIリサーチのシニア・リサーチ・ディレクター、Dimitris Mavrakis氏は、次のように説明します。
「CEVA最新のDSPアーキテクチャーによって、5G-Advanced規格のセルラー・ベースバンド処理の性能と電力効率が大きく進化しました。複雑な5G利用のシナリオに対応する際、電力、性能、チップ面積の厳しい制約に対処するため、独自のマルチスレッド処理方式が採用されています。5G-Advanced準拠の独自チップセットの開発を手がけるワイヤレス通信用半導体メーカーやOEMベンダーにとって、CEVA-XC20は魅力的なソリューションで、チップセット納入先のサステナビリティ目標達成を後押しする重要な役割を担うことになります」
     
CEVA-XC20アーキテクチャーは、モバイル・ネットワークの性能と電力効率の改善という共通目標を掲げ、CEVAのお客様である大手ティア1のOEMベンダーと協議しながら設計されました。大きな処理能力が求められる次世代の5G-Advanced規格では、チップセットに極めて高度な性能が求められます。その点、CEVA-XC20は、斬新なダイナミック・ベクトル・スレッディング(DVT)方式を採用し、これまで汎用CPUアーキテクチャーだけで使われてきた真のハードウェア・マルチスレッド処理をサポートすることにより、こうした課題を解決します。
DVTでは、異なる実行ユニット間でベクトル・リソースの最適な共有が可能なため、ベクトル利用がかつてないほどに効率化されます。この方式では、VLIWアーキテクチャー利用が最適化され、共通の5G実行カーネルのコアが効率化されるとともに、マルチコンポーネント・キャリアやマルチ実行タスクを伴うユースケースが大幅に強化されます。この結果、通常であればベクトルDSPのチップ面積の大部分を占めてしまうベクトル処理ユニットの長さを拡張できるだけでなく、旧世代と比較して実行効率を維持し、場合によってはさらに改善できます。
     
CEVAのモバイル・ブロードバンド事業部バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャー、Guy Keshetは、次のように話しています。
「5G-Advanced以降の規格では、セルラー帯域の拡大と低遅延化を盛り込みつつ、環境対応と省エネ化も掲げています。こうした機能の実現を求められるワイヤレス機器メーカーやモバイル・ネットワーク事業者にとっては、大きな課題となります。この課題に対処するために誕生したのが、CEVAの最新DSPアーキテクチャーであるCEVA-XC20です。30年以上にわたって蓄積したセルラーDSPのノウハウを生かし、特に負荷の大きいベースバンド・コンピューティングのユースケースでも圧倒的な電力効率を実現します。CEVAでは、お客様との緊密な連携を通じて、セルラー通信のユーザー体験を絶えず改善しつつ、新しい技術の環境負荷を削減することに誇りをもって取り組んでいます」
     
CEVA-XC20アーキテクチャーを基に誕生した最初のコア、CEVA-XC22 DSPは、画期的なDVT方式により、2つの実行スレッドをサポートします。CEVA-XC22は、基本的な5Gのユースケースで演算カーネルの場合、旧世代と比較して2.5倍の効率化(1ワット当たり・面積当たりの性能)を達成します。さらに、CEVA-XC22は、CEVAの総合的ベースバンド・プラットフォームであるPentaG-RANに組み込んでセルラー・インフラとなるだけでなく、PentaG2-Maxに組み込んで高性能モバイル・デバイスにもなるため、DSPとコンピュート・エンジン・アクセラレーターの双方を含むCEVAのヘテロジニアス・コンピュート・プラットフォームの心臓部となります。
     
詳細
https://www.ceva-dsp.com/product/ceva-xc22/
CEVA, Inc.
https://www.ceva-dsp.com/