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IARシステムズがLinuxベースの自動ワークフローの効率化に向け製品ポートフォリオを拡大

2021.5.20  11:55 am

IARシステムズのLinux用ビルドツールが、既に対応済みのArm、RISC-V、ルネサスRH850、RXに加え、ルネサスRL78ファミリにも対応開始

組込みシステム開発用のソフトウェアツールとサービスのサプライヤとして躍進を続けるIARシステムズ株式会社(スウェーデン・ウプサラ市)は、強力なLinux用ビルドツールにルネサスRL78ファミリを追加対応したことを発表しました。今回追加されたツールは、開発ツールチェーンIAR Embedded Workbench®の定評あるビルドツールをベースとしており、ルネサスの低消費電力マイクロコントローラ (MCU) RL78向けにLinuxベースのフレームワークにおけるデプロイをサポートします。これにより、ビルドとテストのワークフローを簡素化することができます。
   
今日、組込みアプリケーションの高性能化や多機能化が進み、さらには複雑化するに伴い、スケーラブルで自由度の高いソフトウェア開発環境に対するニーズが高まっています。また、企業にとって、開発からビルドおよびテストに至るすべての段階で品質を確保できる自動化プロセスは、今日の開発手法では必須のものとなっています。IAR Build Tools for Linux を使用することで、開発者はプロジェクトに時間を費やす際にリソースを最適化することが可能となり、ライセンスやサーバを最適な方法で管理・活用できるようになります。
   
このツールは、CMakeやNinjaといった異なるビルドシステムにも容易に統合することができます。また、コマンドラインビルドのユーティリティIARBuildはビルドの効率化が可能で、JenkinsやBambooなどの継続的インテグレーションエンジンあるいは各種Dockerコンテナとの統合も容易になります。さらに、静的解析ツールC-STAT®を使えば、開発者は開発からテストの各段階においてコード品質を確保することができます。C-STAT は、コードがMISRA C:2012、MISRA C++:2008およびMISRA C:2004などの業界標準に適合していることを保証し、さらにCERT CおよびCommon Weakness Enumeration (CWE)に基づいてコードの欠陥、バグ、セキュリティ脆弱性を検出します。
   
IARシステムズの組込み開発ツール担当ジェネラルマネージャ、Anders Holmbergは次のように述べています。
「私たちがLinux用ビルドツールの最初のバージョンを発表したのは約1年前のことでした。今、こうして中小企業から大企業まで、私たちのツールがソフトウェアのビルドおよびテストのワークフロー効率化に貢献しているのを目にして、非常に嬉しく思います。この度、ルネサスのRL78 MCUに対するサポートを追加したことは、お客様の開発フロー全般をサポートしていくために、絶え間ない技術革新に向けて今後も投資を継続していくことの表れでもあります」
   
IAR Build Tools for Linux には、高度な最適化を可能にするIAR C/C++ Compiler™、IAR アセンブラ、IARリンカ、ライブラリツール、C-STAT、 IARBuild、ランタイムライブラリが含まれています。IAR C/C++ Compilerは、C18 (ISO/IEC 9899:2018) プログラミング言語規格のフリースタンディングな実装をサポートし、C++17のすべての機能に対応しています。さらにC++14 (ISO/IEC 14882:2015)、C11 (ISO/IEC 9899:2012)、C89 (ANSI X3.159-1989) および浮動小数点演算のためのIEEE 754 規格にも対応しています。
   
IAR Build Tools for Linuxは、Arm®、RISC-V、ルネサスのRH850、RX、RL78に対応しています。
RL78用のLinuxビルドツールについては、www.iar.com/jp/bxrl78 からご覧ください。