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NXPが次世代ADASおよび自動運転システム向け先進車載ワンチップ・レーダー・ファミリ発表

2023.1.12  6:58 pm

NXPが次世代ADASおよび自動運転システム向け先進車載ワンチップ・レーダー・ファミリ発表

車載レーダーの市場シェアトップ(Yole Intelligence社調べ)のNXP Semiconductorsは、次世代ADASおよび自動運転システム向け業界初の28nm RFCMOSワンチップ・レーダーICファミリを発表しました。
新しいSAF85xxワンチップ・ファミリは、NXPの高性能レーダー・センシングとプロセッシング技術を1つのデバイスに統合したもので、Tier 1サプライヤとOEM企業に短距離、中距離、長距離レーダー・アプリケーションにおける新たな柔軟性をもたらし、さらに厳格なNCAP安全要件にも対応しています。15年にわたって業界をリードしてきた技術をベースとしてドライバーをセーフティ・コクーンで守り、事故を減少するNXPの先進的なレーダー製品ラインナップに、今回のワンチップ・レーダー・ファミリが新たに加わりました。レーダー技術の最前線で開発するデンソーはNXPの主要顧客としてその最新イノベーションを採用しました。
      
デンソーのセーフティシステム事業部長の近藤 浩 氏は次のようにコメントしています。
「この先進レーダー・センシング技術は次世代ADAS開発を加速させるうえで重要な役割を担います。デンソーはNXPの小型で高性能なSAF85xxレーダーSoCを活用することにより、ADAS開発でリードする私たちの地位をさらに強固にできると確信しています。」
      
NXPの新しい車載レーダーSoCファミリは高性能レーダー・トランシーバと、NXPのS32Rレーダー・コンピューティング・プラットフォームをベースとするマルチコア・レーダー・プロセッサで構成されています。SAF85xxはNXPの前世代製品と比較して、2倍のRF性能とレーダー・シグナル・プロセッシングにおいて最大40%の高速化を実現します。このワンチップ・ファミリはコーナーレーダーとフロントレーダーの4Dセンシングを可能にし、自動緊急ブレーキ、アダプティブ・クルーズ・コントロール、ブラインドスポット・モニタリング、クロストラフィック・アラート、自動駐車など、重要なADASアプリケーションで効果を発揮します。このファミリはNCAP安全要件の拡大や、車両1台あたり5つ以上になると予測されるレーダー・センサの普及に対応できるよう、さらに柔軟性が向上しており、OEM企業のメリットになります。
      
NXPのパワー・マネジメント・ソリューションやコネクティビティ・ソリューションと組み合わせたシステム・ソリューションは現在だけでなく将来も、OEM企業のさまざまなニーズに柔軟に対応します。開発者はS32Rファミリが持つシームレスな性能拡張性と、ソフトウェア/ハードウェア設計を再利用できる点を活かすことができます。
       
NXP Semiconductorsの上級副社長のTorsten Lehmannは次のようにコメントしています。
「NXPの新しいワンチップ・レーダー・ファミリは信頼性の高い長距離物体検出だけでなく、交通量の多い複数車線の道路で乗用車やトラックの隣で高速走行するオートバイのように大きな物体と隣接する小さな物体の検出を可能にします。小型のフォーム・ファクタなので、お客様はレーダー・センサ・モジュールのサイズを最大30%小型化することができます。デンソーをはじめとするADASシステムのグローバル・サプライヤにはこの強力な新技術を活かし、レーダー・セーフティの可能性をさらに広げていただけます。」
       
NXPの第3世代RFCMOSレーダー・プラットフォーム

  • 車載レーダー用RFCMOSの初の量産を開始し、すでに数千万個を出荷しているNXPの実績ある専門知識を基に構築
  • 高集積77GHzレーダー・スマート・トランシーバSoCは4つの高性能トランスミッタ、4つのレシーバ、ハードウェア・アクセラレータ搭載マルチコア・レーダー・プロセッサ、ギガビット・イーサネット通信インターフェース、メモリを搭載
  • ISO 26262機能安全と車載サイバーセキュリティ規格ISO/SAE 21434に準拠してASIL Bを満たし、自動車業界の安全/セキュリティ要件に対応       

NXP Semiconductors
www.nxp.com