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ケイデンス Tensilica Xtensaプロセッサー、ISO 26262 ASIL-Dに完全準拠で最も厳格な自動車機能安全要件に対応

2021.7.29  5:15 pm

FlexLock機能を搭載したTensilica XtensaプロセッサーIP、ASIL-D機能安全認証を独自に取得、最も安全性が求められる車載アプリケーションで使用可能に

ケイデンス・デザイン・システムズ社(米国カリフォルニア州サンノゼ市)は、7月28日(米国現地時間)、自動車安全規格の評価で最高水準のISO 26262:2018 ASIL-Dに準拠するFlexLock機能を搭載したCadence® Tensilica® Xtensa®プロセッサーが、SGS-TÜV Saarによる認証を取得したことを発表しました。
   
この機能安全認証は、ランダム故障に対する保護を強化するFlexLockのオプションを備え、システマティック故障に対して保護するためのロバストな安全プロセスに従って開発された、ベースのマイクロコントローラーから高性能なDSPにまで適用されます。FlexLock機能を搭載したTensilica Xtensaプロセッサーは自動車市場に最適で、AI、ビジョン、レーダー、ライダー、オーディオ、V2X (vehicle-to-everything)、制御アプリケーションに適合しています。
   
SGS-TÜV Saar・コメント
Wolfgang Ruf氏 (Head of functional safety for semiconductors)
「車載アプリケーション向けに最適化されたケイデンスのTensilica FlexLockプロセッサーは、ASIL-D機能安全規格への完全準拠を達成した業界初のプロセッサーです。ASIL-D ISO 26262:2018規格のシステマティック故障およびランダム故障回避への準拠に対する総合的評価の認証は、ケイデンスIPの高い機能安全品質の証です。SoC設計者は、機能安全認証を取得したTensilicaプロセッサーIPを使用したデザインにより自動車業界の厳格で安全を重視すべき要件への準拠を確保できます。」
    
ASIL-D準拠へのキーとなるのは、柔軟で拡張性の高いXtensaプロセッサーアーキテクチャーにロックステップ対応を追加する新機能FlexLockです。ロックステップは、ハードウェアレベルでコアロジックの冗長性により、ソフトウェア実行における安全性を高める実績ある手法です。FlexLockはASIL-D認証の達成をサポートするだけでなく、ASIL-Bソリューションで2つのコアを個別に実行できる機能も設計チームに提供します。さらに、FlexLockソリューションは、2つのコアのローカルメモリーとキャッシュをロックステップモードで実行できる選択肢を与え、メモリー故障に対してさらに高いレベルで保護することを可能にします。
   
NXP社コメント
Robert Dunnigan氏 (ADAS MCU program manager)
「機能安全機構の革新は、自動車業界の新たなトレンドや要件を満たすために引き続き重要です。ケイデンスがTensilica IP製品ラインに、FlexLockデュアルコアロックステップ機能などの重要な機能安全機構を追加してくれたことを喜ばしく思っています。」
   
Calterah社コメント
Hongquan Liu氏 (Senior marketing director)
「自動車業界の現在のトレンドとして、より高い水準の機能安全が求められています。ケイデンスはFlexLockデュアルコアロックステップ機能を追加したことにより、最も重要な機能安全要件のニーズを満たすことに対する企業としてのコミットメントを顧客に対して示しています。」
    
ケイデンス・コメント
Larry Przywara (Senior group director, Tensilica marketing)
「自律走行のレベルが高くなると、エッジ側で実行される車載アプリケーションにおいてよりインテリジェントな演算処理が必要となり、機能安全に対してもさらに高い水準が求められます。FlexLock機能を導入することにより、TensilicaのコントローラーやDSPのユーザーは、最高レベルのASIL-D認証を取得し、それによりハードウェアのランダム故障に対して保護できるようになります。ADAS、レーダー、ライダー、V2X、ビジョン処理を加速するTensilica IPを採用した設計者は、 顧客の機能安全要件を確実に満たし目的を達成することが可能になります。」
    
その他のXtensaプロセッサーと同様に、ASIL-D認証を取得したコアはTensilica Instruction Extension (TIE) 言語によりカスタマイズ可能です。これにより、IPを特定用途向けに最適化し、最高水準の安全性を備えた適切なレベルのパフォーマンスを達成することが可能になります。現在提供しているFlexLock機能を備えたTensilica Xtensaプロセッサーは、ケイデンスのIntelligent System Design™戦略のもと、卓越したSoC設計を可能にします。
   
FlexLock機能を備えたTensilica Xtensaプロセッサーに関する詳細についてはwww.cadence.com/go/tensilicaflexlockをご参照ください。