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ケイデンスが革新的なマシンラーニングベースの設計システム新製品Cerebrusを発表

2021.7.26  1:41 pm

デジタル設計のリーダーシップを拡大、クラス最高の生産性と結果品質を実現

ケイデンス・デザイン・システムズ社(本社 米国カリフォルニア州サンノゼ市)は、7月22日(米国現地時間)、デジタル設計の自動化をさらに進化させ、顧客に求められるチップ設計の目標を効率的に達成するマシンラーニングベースの設計システム新製品Cadence® Cerebrus™ Intelligent Chip Explorerを発表しました。
   
Cerebrusの技術とケイデンスのRTL-to-signoff設計フルフローを組み合わせることにより、先進的なチップ設計者、CADチーム、IP開発者は、手作業によるアプローチに比べて設計生産性を最大で10倍向上し、さらにPPA(パワー、パフォーマンス、エリア)を最大で20%改善することが可能になります。
   
Cerebrusをケイデンスの広範なデジタル製品ポートフォリオに加えることにより、合成からインプリメンテーション、サインオフに至るまで、マシンラーニングを活用した業界最先端のデジタル設計フルフローを提供します。この新しいツールはクラウド環境に対応し、主要クラウドベンダーが提供する拡張性の高い計算機リソースを活用することで、コンシューマー、ハイパースケールコンピューティング、5G通信、自動車、モバイルなどの幅広い市場における設計要件を迅速に満たすことが可能です。
   
Cerebrusに関する詳細についてはwww.cadence.com/go/cerebrusprをご参照ください。
   

新製品Cerebrusはお客様に以下のようなメリットを提供します:

  • マシンラーニング機能の強化: 人手では考えられないようなフローソリューションを早期に見つけ出し、PPAおよび生産性を向上
  • マシンラーニングモデルの再利用: 設計で得た知見を将来の設計に自動的に適用し、より良い結果を得るまでの時間を短縮
  • 設計生産性の向上: 1人のエンジニアが、多数のブロックに対してRTLからGDSへのフロー全体にわたり同時にかつ自動的に最適化することが可能になり、設計チームの生産性が向上
  • 大規模並列処理: オンプレミスおよびクラウドに対応する拡張性の高い設計空間探索テクノロジを提供し、フローの最適化を迅速に実現
  • 使い勝手の良いユーザインタフェース: 強力な設計コックピットにより、実行ジョブ管理とインタラクティブな結果分析が可能となり、設計メトリクスに関する重要な知見を得ることが可能

ルネサスエレクトロニクス社コメント
柴谷 聡氏(共通EDA技術開発統括部 デジタル設計技術部 部長)
「新しいプロセスノードを使用した新製品の性能を効率的に最大化するためには、エンジニアリングチーム全体で利用できる、高度なデジタル設計フローを常にアップデートする必要があります。このような設計環境において、高いスループットの製品開発を実現するためには、設計フローの開発プロセスの自動化がより重要となっています。革新的なマシンラーニング機能を備えたCerebrusと、ケイデンスのRTL-to-signoffツールは、設計フローの最適化とフロアプラン探索を自動化し、10%以上もの製品パフォーマンスの向上をもたらしてくれました。この成功を受けて、この新しい設計アプローチは当社の最新製品の開発に使用されています。」
   
Samsung Foundry社コメント
Sangyun Kim氏(vice president, Design Technology)
「Samsung Foundryが各プロセスノードを展開するにあたり、当社の設計技術最適化(DTCO: Design Technology Co-Optimization)プログラムにおける設計効率性は大変重要であり、チップ実装においてPPAをさらに最適化する革新的な方法を常に模索しています。Samsung Foundryは、ケイデンス社との長期的なパートナーシップの一環として、Cerebrusおよびデジタル・インプリメンテーション・フローを複数のアプリケーションにおいて使用しています。何ヶ月もかけて手作業で行っていた作業が、わずか数日で終了し、いくつかの重要なブロックにおいて8%以上の電力削減を達成することができました。また、フロアプランでCerebrusを使用し、パワー供給ネットワークのサイジングを自動化した結果、最終デザインのタイミングが50%以上改善されました。ケイデンスのCerebrusとデジタルインプリメンテーションフローは、より良いPPAと大幅な生産性の向上をもたらし、このソリューションは当社のDTCOプログラムにとって大変重要なテクノロジとなっています。」
   
ケイデンス・コメント
Dr. Chin-Chi Teng (senior vice president and general manager in the Digital & Signoff Group)
「今まで設計チームは過去のデザイン知識を自動的に再利用する方法を持っていなかったため、新しいプロジェクトを行うたびに手動で再学習するため余分な時間がかかり、設計期間のマージンが失われていました。新製品Cerebrusが提供するマシンラーニングを活用したデジタル設計により、EDA業界に革命をもたらします。設計チームは、手作業によるプロセスを省くことにより、設計チーム全体の生産効率に大きなインパクトを与えることができます。業界が先端プロセスノードに移行し、デザインのサイズと複雑さが増す中、Cerebrusは設計者がPPAの目標をより効率的に達成することを可能にします。」