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NXPが精度と生産性を高めるCC-Link IE TSN産業オートメーション・リアルタイム・ネットワーク対応

2021.2.25  5:48 pm

NXPが精度と生産性を高めるCC-Link IE TSN産業オートメーション・リアルタイム・ネットワーク対応

NXP SemiconductorsはNXPの産業オートメーション向け統合型Time-Sensitive Networking(TSN)ソリューションによるCC-Link IE TSNプロトコルのサポートを発表しました。ギガビット・イーサネット帯域幅とTSNを組み合わせたCC-Link IE TSNは、産業用イーサネットの性能、セキュリティおよび機能を強化し、タイムシェアリング通信を可能にします。
   
NXPのLS1028Aインダストリアル・アプリケーション・プロセッサと、i.MX RT1170クロスオーバーMCUが、CC-Link IE TSNに対応することにより、NXPはインダストリー4.0革命における接続された工場の次世代通信を実現するスケーラブルなソリューションを提供します。

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CC-Link IE TSNネットワーク向けにデバイスからスイッチまでのTSNソリューションを提供することで、NXPは高度に接続されたインダストリアルIoTへの移行の一環として、多様な産業用ネットワーク間の相互運用性を実現するためのイーサネット・プロトコルの強化と統合を可能にします。
   
NXPはport industrial automation GmbHと協力し、LS1028Aプロセッサとi.MX RT1170クロスオーバーMCU上でCC-Link IE TSN通信スタックの実装を可能にしました。この組み合わせにより、NXPはi.MX RT1170 MCUによるリアルタイム制御からLS1028Aプロセッサを使用する高性能制御まで、スケーラブルにソリューションを提供します。モーション制御、ロボティクス、マシン・ビジョン、機械学習(ML)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)などのファクトリ・オートメーション・アプリケーションは、NXPのTSNソリューションにより実現されるスマート・アプリケーションの代表例です。
   
NXP Semiconductorsのグローバル・インダストリアル・アプリケーション・プロセッサ担当プロダクト・マーケティング・ダイレクタのJeff Steinheiderは、次のようにコメントしています。
「TSNはインダストリー4.0のレイヤー2標準であり、NXPはオープンなTSNベース・ネットワーク上で動作するCC-Link IE TSNプロトコル向けの包括的な開発エコシステムに貢献しています。NXPのハイエンド・コントローラ向けLS1028Aプロセッサと産業用エンド・ポイント向けi.MX RT1170 MCUでの完全な通信スタックの提供とギガビット・イーサネットのサポートは、最も包括的なソリューションの1つです」。
   
port industrial automation GmbHのCEOのDietmar R. Franke氏は、次のようにコメントしています。
「TSNによるリアルタイム通信向けのNXPのソリューションは、TSNベース通信ソリューションのための優れた基盤を提供します。port GmbHはNXPのi.MX RT1170およびLS1028AプラットフォームへのCC-Link IE TSN統合のための包括的な産業用通信フレームワーク(ICF: Industrial Communication Framework)を提供します。ICFにはCC-Link IE TSN マスタ局用スタック、CC-Link IE TSNリモート局用スタックのほか、リモート局用スタックを設定するためのツールである産業用通信クリエイター(ICC: Industrial Communication Creator)が含まれています」。
   
NXPはCC-Link協会(CLPA)に参加し、ファクトリ・オートメーション向けCC-Link IE TSNをサポートしています。
   
一般社団法人CC-Link協会 事務局長 川副 真生 氏は次のようにコメントしています。
「NXPは最先端のマイコン製品により、インダストリー4.0でのアプリケーション、通信やセキュリティに必要となるTSN技術の活用を加速させるソリューションを提供しています。NXPがいち早くTSN対応のLSIを発売されることを非常に嬉しく思います。これにより、今後、TSN対応のさまざまな産業用ネットワークに接続可能なマルチネットワーク機器の開発促進につながります。そして、CC-Link IE TSN対応の機器開発がより一層加速し、IoTを活用したスマート工場の構築の推進につながるものと確信しています」。
   
三菱電機株式会社 FAシステム部 統括部長の小林 毅氏は、次のようにコメントしています。
「三菱電機は幅広いFA製品の開発・販売、FA統合ソリューションe-F@ctoryの提案とともに、e-F@ctoryの重要な構成要素であるオープン統合ネットワーク『CC-Link IE TSN』の普及をけん引してまいりました。このたびNXPがCC-Link IE TSNをサポートすることを大変嬉しく思います。NXPのTSNソリューションにより、一層多くのお客様がCC-Link IE TSNのパフォーマンスを享受することができるようになります。それに伴い、CC-Link IE TSNとe-F@ctoryがさらに普及・拡大し、製造業のスマート化が今後一層加速していくであろうことを確信しています」。
   

NXPのLS1028Aインダストリアル・アプリケーション・プロセッサとi.MX RT1170クロスオーバーMCU

LS1028Aリファレンス・デザイン・ボード[LS1028A-RDB]
LS1028Aリファレンス・デザイン・ボード[LS1028A-RDB]

NXPのLS1028Aプロセッサ・ファミリは64ビットArm® Cortex®-A72プロセッサ・コアを採用し、3D GPU、LCDコントローラ、4ポートのTSNスイッチ、ギガビット/2.5ギガビットのイーサネット速度をサポートする2系統のTSNイーサネット・コントローラなどを統合しています。TSNとGPUの組み合わせにより、産業用ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)や制御アプリケーションへの対応が可能になります。LS1028AプロセッサはNXPのトラスト・アーキテクチャに基づいており、セキュアなアプリケーションとサービスを可能にするセキュリティの基本機能を提供します。
詳細については、www.nxp.com/LS1028Aをご覧ください。
   
NXPのi.MX RT1170クロスオーバーMCUと評価キットはすでに提供を開始しています。高性能Arm Cortex-M7コア(最大1GHzで動作)と高電力効率Arm Cortex-M4コア(最大400MHzで動作)で構成されるデュアルコア・アーキテクチャを採用しています。このデュアルコア・アーキテクチャは必要に応じてアプリケーションの並列動作か、個々のコアをオフにすることによる消費電力の最適化が可能です。リアルタイム動作向けに最適化されており、12nsの割り込み応答時間とオンチップ・メモリからの実行で6468 CoreMark®スコア、2974 DMIPSを実現します。この最先端アーキテクチャはMLアプリケーション、モーター制御のほか、顔認識などの先進HMIインターフェースのサポートに最適です。
詳細については、www.nxp.com/iMXRT1170をご覧ください。

i.MX RT1170評価キット [MIMXRT1170-EVK]