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グリーン・ヒルズ・ソフトウェアがAUTOSAR Adaptiveプラットフォームにスケーラブルな安全性とセキュリティを保証したサポートを提供

2020.10.29  3:59 pm

AUTOSAR Adaptive サポートは、 Green Hills Softwareの業界標準であるAUTOSARソリューションを拡張、次世代の多機能でクリティカリティ(重大性)が混在したECU(電子制御ユニット)の開発を可能に

Green Hills Software(本社: 米カリフォルニア州サンタバーバラ)は、車載電子機器メーカー向けに最新のAUTOSAR Adaptive 標準規格に準拠した安全性とセキュリティを確保するシステムを構築するための新拡張技術を発表しました。
各種車載プロセッサ向けに、業界をリードするAUTOSAR Adaptive ベンダーのソリューションにコンフィギュラブルなサポートを追加することで、世界中のOEMやTier 1サプライヤーは、ゲートウェイ、ADAS、自律型自動車、安全・セキュリティ・アイランド、ドメインコントローラ、及び高性能ゾーン・コンピュータ・クラスタで使用可能な最もスケーラブルで安全なセキュリティ性に優れたAUTOSARベースのプラットフォームを開発し、導入することができます。
  
Green Hills Softwareは、2005年以来AUTOSAR組織に参加し、プレミアムパートナーの一社として、オペレーティングシステムのインタラクション、セキュリティ、及びデバッギングのための規格を定義する作業グループで積極的に活動しています。こうした活動により、Green Hills Software社は、AUTOSARサービスの安全性とセキュリティを保証するために十分な理解と豊富な経験を、広範囲にわたる車載ECU(電子制御ユニット)の設計に反映させています。
  
ソフトウェアが定義する車載アーキテクチャの期待が高まる中で、ミックストコアプロセッサと複数のオペレーティングシステムを使用した今日のヘテロジニアス・コンピューティング・プラットフォームは、AUTOSARのオープンな業界標準を最先端のシステム機能とインタフェースに採用する重要な車載機能の開発担当エンジニアにスケジュールと複雑性に対するプレッシャーを与えています。
  
これらの大きくのしかかる難題に対処するために、Green Hills Softwareは、同社の数十年間蓄積したAUTOSARの経験の上に、多岐にわたる最終ユーザーの設計目標、安全仕様、及び重要目標達成指標(KPI)をサポートする可能な限り広範囲に及ぶプラットフォーム構成に対応しています。Green Hills Softwareの実績あるランタイム環境に基づくスケーラブルなAUTOSARランタイムフレームワークの例を次に示します:
  
AUTOSAR Adaptiveが INTEGRITY® real-time operating system’s (RTOS)の基本分離アーキテクチャ上でネイティブに動作し、AUTOSAR Adaptiveアプリケーションとサービスを他のプラットフォームのアプリケーションとサービスから分離・保護します。ここでは、AdaptiveアプリケーションのためのAUTOSARランタイム環境は、AUTOSAR Adaptiveスタックサプライヤーが提供するINTEGRITY上でネイティブに動作します。
  
AUTOSAR AdaptiveアプリケーションとサービスがLinuxゲストオペレーティングシステム上で動作し、安全性とセキュリティを確保してマイクロカーネル仮想マシンモニタ(INTEGRITY Multivisor®)上でホストされます。
  
AUTOSAR ClassicアプリケーションがINTEGRITY分離カーネル上でネイティブに動作し、古いAUTOSAR Classic資産をAUTOSAR Adaptiveを実行するプラットフォームにシームレスに組み込むことができます。
  
  
Green Hills SoftwareのAUTOSAR向け拡張サポート機能は、実証技術とノウハウの上に設計され、以下を基礎にしています:
  
 ・ISO 26262 ASIL D認証 INTEGRITY RTOS、
 ・POSIX コンフォーマンスをサポート、
 ・リアルタイムマイクロカーネルベースの可視化サービス
 ・最新のC++ をサポートする豊富なMULTI® integrated development environment (IDE)ツール群 
  
  
Green Hills Softwareの製品は異種コンピュータプラットフォームに対応するように最適化されているだけでなく、ベンダー及びASIL(自動車安全水準)の安全レベルにも依存せずに、古いAUTOSAR ClassicサービスをAUTOSAR Adaptiveサービスにシームレスに統合することができます。
  
これらの最先端システムアーキテクチャのデバッグ及び最適化に伴う複雑性に対処するために、Green Hills Softwareは、最新の開発ツールとシステム可視化ツールをこれらのプラットフォームに統合しました。MULTI IDEは、複数の異種コア上で動作する複数のオペレーティングシステム、AUTOSARサービス、及びアプリケーションを動作させる複雑な車載SoC上のバグをピンポイントで特定し、性能面での障害を修正するために、強力な可視性と制御を世界各国のAUTOSAR開発者チームに提供します。重要な実現機能には、ASIL D に対応するAUTOSAR OS認識デバッグ、同期したシステムレベルのイベント可視化、高性能CとC++11/14/17 compilers、及びランタイムライブラリが含まれます。
  
また、Green Hills Softwareは、同社のSuperTrace™ JTAG probeとTimeMachine® back-in time debuggerを使って、お客様がシステムの状態とクラッシュ直前までの重大な情報を記録することによって、アプリケーションを再起動することなく、全てのバグを容易に捕捉し再現することができます。これらのツールは、開発者の生産性とコードの品質を大幅に向上させるだけでなく、お客様のシステム性能と目標達成のために重要な役割を果たします。
  
Vector社の業務執行取締役であるThomas Beck博士は、次のように述べています。
「Vectorは、弊社のAdaptive MICROSAR AUTOSARプラットフォームを、車載グレードのINTEGRITYリアルタイム分離カーネル上で動作させるために統合・最適化を始めとする、Green Hills Softwareとの戦略的協業を拡大することを喜ばしく思っております。この協業により、VectorとGreen Hills Softwareは両社共通のお客様に、将来の車載ソフトウェアプラットフォームの要求を満たすプログラム可能なAUTOSARソリューションの提供が可能になることを期待しております」
  
また、Elektrobit GmbHのポルトフォリオ及び製品管理部門のグローバル責任者であるChristoph Herzog氏は、次のように述べています。
「AUTOSARのためのGreen Hills Softwareとの数十年にわたる提携拡大により、ElektrobitはGreen Hills Softwareが生産に使用可能なAUTOSAR ClassicとAdaptiveソリューションをINTEGRITY RTOSで活用できるようにしています」
  
Green Hills Softwareの事業開発担当バイスプレジデントのDan Menderは、次のように述べています。
「過去15年以上にわたり、世界有数のAUTOSARサプライヤーと進めた弊社の技術提携は、パワートレイン、ボディ/シャーシ、ADAS、統合コックピット、ゲートウェイ、テレマティクス、ディジタルクラスタ、及びIVI/クラスタ統合プロジェクトを展開するための世界規模のOEM及びTier 1サプライヤーとの契約を成功に導くうえで極めて重要でした。世界有数のAUTOSARプロバイダーとのAUTOSAR Adaptiveに対する弊社の戦略を強化することで、我々の共通のお客様は、AUTOSAR ClassicとAdaptive規格の両方をサポートする次世代ECUプラットフォーム向けの最高水準のAUTOSAR機能を将来利用することができます」