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キーサイトが3GPPによるMIMO OTAテストにおける高度な5Gデバイス性能検証の加速に貢献

2020.9.16  10:56 am

CAICTとのコラボレーションにより、FR1で5G MIMOデバイスをベンチマーキングした初のパフォーマンステストケースが実現

(カリフォルニア州サンタローザ、 2020年7月23日発)
キーサイト・テクノロジーズ・インクは、ワイヤレス業界が高度な5Gデバイスの性能検証を加速させるために役立つMIMO※OTAテストに関して、3GPPが公開したテクニカルレポートに貢献したことを発表しました。
  
キーサイトは、7月3日に3GPP(3rd Generation Partnership Project)が正式に承認した「テクニカルレポート (TR) 38.827」に、35を超える情報を提出し、寄与しました。
このテクニカルレポートは、周波数レンジ1 (FR1) あるいは周波数レンジ2(FR2)で動作するスマートフォンや、その他のハンドヘルドデバイスといったユーザー装置 (UE) のマルチアンテナ受信性能を検証するための放射測定基準とテスト方法を定義しています。
  
中国信息通信研究院(CAICT)とのコラボレーションにより、3GPP TR 38.827で記述されているテスト手順とチャネルモデル、およびキーサイトのPROPSIM 5GチャネルエミュレーターとUXM 5Gワイヤレス・テスト・プラットフォームを使用して、FR1での5G 4x4 MIMOデバイスの最初となるベンチマーキングに成功しました。
  
CAICT RAN4代表兼3GPP OTA作業項目(WIs)の報告者であるRuixin Wang博士は、次のように述べています。
「キーサイトをはじめ3GPP MIMO OTAの検討項目 (SI) への主要な貢献者のおかげで、この業界では、標準化されたMIMO OTAテスト環境で、さまざまな種類のアンテナ設計とチップセットを備えた5Gデバイスの性能を効果的にベンチマークできます。」
  
キーサイトの5Gプログラムマネージャー兼無線規格ディレクターであるRoger Nicholsは、次のように述べています。
「弊社は、5G NRやMIMOなどの要素技術によって複雑が増すテストや測定を明確に理解しており、コネクテッドエコシステムによる高度な5Gアプリケーション向けの高性能無線デバイスを市場に投入することを支援しています。 弊社は、主要な無線規格標準化団体 (SDO) とコンソーシアムに長年参画しており、OTAテストソリューションのポートフォリオと合わせて、世界中の5G開発および商品化の推進をサポートしています。」
  
この3GPPのマイルストーンは、最大4つのアンテナトランスミッター (4x4 MIMO) を備えた5Gデバイスの性能検証のプロセスにおいて、チップセットおよびデバイスメーカーを支援します。
  
キーサイトは以下の貢献をしています。
・有効なテスト伝搬環境を生成するためのチャネルモデルの定義、およびデバイスが送信するデータスループットを測定するためのテスト方法評価の定義
・テスト結果の再現性と安定性を担保するMIMO OTAシステムの定義
  
キーサイトは、MIMOテクノロジーや高性能アンテナを使用して、高度な5Gアプリケーションが必要とする優れたデータレートを実現する5Gデバイスの検証用テストプラットフォームを幅広く提供しています。
キーサイトの新しいAdvanced Performance Test Toolsetは、FR2 MIMO OTAテスト用に3GPPが指定したテストケースをサポートし、拡大するエコシステムが3Dフェージングとモビリティシナリオを使用して、正確かつ実環境の条件下で5Gデバイスの性能検証を可能にします。
  
  
※MIMO (multiple input, multiple output: マルチ入力マルチ出力) は、複数のアンテナが送信側(トランスミッター)と受信側(レシーバー)の両方で使用される無線通信用のアンテナ技術です。