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キーサイトがeモビリティ充電テストポートフォリオを拡充

2023.5.10  6:03 pm

キーサイト・テクノロジーズ・インク(米国カリフォルニア州サンタローザ、日本法人:キーサイト・テクノロジー株式会社、以下「キーサイト」)は、電気自動車(EV)および電気自動車充電設備(EVSE)のテストポートフォリオを拡充し、eモビリティ向けの設計、エミュレーション、テストソリューションにおいて業界トップレベルのツールセットを構築したと発表しました。新たに導入されたコンポーネントレベルおよびフィールド向けのテストソリューションが、キーサイトのEV/EVSE充電テストポートフォリオを補完します。
     
国際エネルギー機関(International Energy Agency:IEA)によると、全世界での電気自動車数は2030年までに3億台に届くと予想されており、EV市場はダイナミックに成長しています。こうした需要を満たすために、自動車メーカーや電気自動車充電インフラメーカーは、迅速な製品の市場リリースに取り組んでいます。一方、急速充電からV2H(vehicle-to-home:車から家)といった双方向の電力伝送に至るまでの充電に関連する複雑さが増加するのに伴い、業界ではeモビリティ製品の相互接続性への懸念が高まっています。
     
キーサイトのeモビリティ充電テストポートフォリオの拡充は、EV/EVSEメーカーが使用するeモビリティ製品の基本的な通信プロトコルに対応したソリューションで、こうした複雑な問題への取り組みを支援します。キーサイトの新しい充電テストソリューションは、CCS(Combined Charging System)規格で採用されているすべての通信プロトコルに対応し、適合性試験や型式承認によりEVとEVSE製品間の相互接続性を向上させます。

キーサイトがeモビリティ充電テストポートフォリオを拡充

     
キーサイトの新しいeモビリティ充電テストソリューションには次が含まれます: 

・ SL1550A EV – EVSE充電通信インタフェーステスター(Comテスター) – 電気自動車通信コントローラー(EVCC)や充電設備通信コントローラー(SECC)用の完全統合型テストアダプタで、機器エミュレーションやテストケースを実行し、充電通信とプロトコルのテストが可能です。Comテスターは、開発テスト、型式承認テスト、製造テスト(EOL)、ハードウェア・イン・ザ・ループ(HIL)テストのためのコンポーネントレベルのテストを提供します。

・ SL1556A CCS充電プロトコルトレーサー(プロトコルトレーサー) – ポータブル電力線通信(PLC)スニファは、充電ケーブルとの導電性や誘導性のカップリングにより、ラボやフィールドでEVとEVSE間のCCS通信チャネルをシームレスに観察できます。キーサイトSL1487A CCS充電プロトコルトレーサービューア(CPT)と一緒に使用することで、EVとEVSE間の有線データ転送を解析して、相互運接続性の問題を解決できます。

・ SL156XA EV – EVSE充電テストロボットシリーズ – Comテスターと併用することで、機械式アクチュエータを組み込んでテストプロセスを簡素化し、数百のテストケースで完全に自動化されたテストシーケンスを可能にするテスト自動化プロセスです。

・ TTCN-3充電通信テスト自動化ソフトウェア(CCT) –デザインエンジニアリングが型式承認や認証試験の準備を可能にする、ISO 15118適合試験規格に基づくCCS充電通信用の自動適合試験ソリューションです。

・ スマート充電エミュレーションソフトウェア(SCE) –DIN 70121、ISO 15118-2/-3、ISO 15118-20/-3をサポートするCCS Basic、CCS Extended、およびCCS Advancedプロフィールに基づいて、シナリオと機能重視のEVおよびEVSEテストを行う高度なカスタマイズと設定が可能なエミュレーション環境です。

・ CCS充電プロトコルトレーサービューア(CPT) – CCS充電プロトコルのデコードを可能にし、Vehicle-to-Grid通信規格のDIN 70121、ISO 15118-2/-20、ハードウェア抽象レイヤー用に定義されたその他の独自メッセージをサポートするソフトウェアアプリケーションです。
     
EVスマート充電インフライノベーションセンターのElaadNLは、新しいキーサイトのComテスターとSL1047A Scienlab充電ディスカバリーシステム(High-Power Series、SL1203 Scienlab Regenerative AC / Grid Emulator、およびSL1830A Scienlab Regenerative DC Emulator)を採用し、新しいeモビリティ製品の開発を行う業界パートナーをサポートしています。キーサイトの拡充したEV/EVSE充電テストポートフォリオにより、ElaadNLは自動車メーカーや充電システムメーカーに向けてMegawatt Charging Systemなど新しい規格を導入することを支援できます。
     
ElaadNLのディレクターであるOnoph Caron氏は、次のように述べています。
「キーサイトの充電テストポートフォリオは、当社のパートナーが実際のユースケースをエミュレートして、パワーグリッドでのEV充電の品質やイミュニティテストの影響を解析するのに必要なツールを提供します。これらの新しいソリューションにより、当社は相互接続性の問題に対処して、新製品を迅速かつ円滑に市場投入をすることで、イノベーションを加速できるようになりました。特に、車両からグリッドへの移行やISO 15118規格の新しいバージョンなどの新規市場開発が必要です。オープンな施設であるElaadNLテストラボは、新しいモビリティ用の堅牢なエネルギーシステムを構築するために、業界パートナーと緊密に協力しています。」
     
キーサイトのAutomotive & Energy Solutionsのバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるThomas Goetzlは、次のように述べています。
「新しい通信ベースの充電テストソリューションを、キーサイトの既存EV/EVSポートフォリオに組み入れることで、加速するeモビリティ市場に対応するために必要なツールを業界に提供しています。キーサイトは、研究開発からメンテナンスまでの完全なターンキーソリューションを提供している唯一のベンダーです。」
    
キーサイト・テクノロジ
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