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ユビキタスAIが次世代通信プロトコル「Ubiquitous QUIC」を組込み開発者向けに提供開始

2023.3.7  5:11 pm

ユビキタスAIが次世代通信プロトコル「Ubiquitous QUIC」を組込み開発者向けに提供開始

増加するIoT機器の通信トラフィック改善とネットワーク応答性向上を実現

株式会社ユビキタスAI(東京都新宿区)は、Google社をはじめ、さまざまなインターネット通信で利用が増えている通信プロトコル「QUIC(クイック)」を組込み機器やIoTデバイスなどのクライアント機器で利用できるソフトウェアライブラリ「Ubiquitous QUIC」を、2023年3月7日より提供開始しました。
     
また、Ubiquitous QUICを通信ミドルウェアコンポーネントのひとつとして搭載した、「Ubiquitous RTOS IoT Enabler」のQUIC対応版も併せて提供を開始します。Ubiquitous RTOS IoT Enablerは、リアルタイムOS「TOPPERS-Pro」をベースに、ネットワーク、セキュリティおよび用途別のミドルウェアを柔軟に組み合わせた、IoT製品向け組込みソフトウェアのオールインワンパッケージです。
     
UDPをベースにしたQUICは、ネットワークにTCP相当の信頼性を提供する次世代の通信プロトコルとして、「Head-of-Line Blockingの回避」「接続確立時間の最適化」「TLS1.3による暗号化の標準化」「IPアドレス、ポート番号や通信経路に変更が生じた際のネットワーク接続の維持」など、さまざまな機能を提供してネットワークの高速化を実現しているトランスポート層通信プロトコルです。
      
ユビキタスAIは、IETFによって標準化されたQUICの技術仕様に基づき、組込み・IoT市場向けQUICをいち早く自社開発しました。
      
・トランスポート層通信プロトコルQUIC
現在、IoT機器の通信プロトコルはMQTTやHTTPが主流です。他方、IoTプラットフォーム大手のAmazon Web Services, Inc.は既にAmazon CloudFrontでQUIC対応しており、IoTデバイスを各種AWSサービスに接続するAWS IoT CoreでもQUIC対応が進むことが期待されます。
      
ユビキタスAIは、QUICプロトコル単体のライブラリ版として提供する他、QUIC対応したIoT製品向け組込みソフトウェアのオールインワンパッケージUbiquitous RTOS IoT Enablerを、AWS IoT Coreのクライアント向けソフトウェアとして提供します。AWS IoT Coreを利用するIoT機器がクラウドに接続する際に、応答時間を短縮したり効率良くデータ転送したりすることで、通信トラフィックの改善を実現します。

ユビキタスAIが次世代通信プロトコル「Ubiquitous QUIC」を組込み開発者向けに提供開始
QUIC対応版Ubiquitous RTOS IoT Enablerの構成

・QUICについて
QUICは、ネットワークの高速化を目的としてGoogle社によって設計され、2012年からの実験・デプロイを経て2013年に公表された次世代通信プロトコルです。その後IETFでの議論を経て、新しいトランスポートプロトコルとして2021年にRFC8999、RFC 9000、RFC 9001、RFC9002によって標準化されました。現在では、Chromeを始め多くのウェブブラウザからGoogleサーバーへのコネクションで標準またはオプションで実装・使用されています。また、HTTPの新プロトコルであるHTTP/3は、QUICをトランスポートレイヤプロトコルとして2021年に標準化されました。
       
・Ubiquitous RTOS IoT Enablerについて
IoT製品向け組込みソフトウェアのオールインワンパッケージとして、2022年6月にリリースしました。ユビキタスAIのTOPPERS-Proをベースに、ネットワークスタック、セキュリティ、ミドルウェア製品を要件に応じて柔軟に組み合わせて提供することで、IoT製品開発に必要な期間およびリソースを大幅に削減し、高品質で高性能なソフトウェアで設計された製品をタイムリーに市場投入することが可能になります。
       
株式会社ユビキタスAI
https://www.ubiquitous-ai.com/