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トヨタ自動車、MBDの更なる生産性向上を目指して、MATLABをR2021aへ移行

2021.10.6  3:48 pm

最新技術を活用し、短期間でのバージョンアップと運用コストの削減を実現

MathWorksは、トヨタ自動車株式会社が、量産開発に適用しているMATLABのバージョンをR2015a からR2021aへ移行することを発表しました。
    
従来から、トヨタは、ECU量産ソフトウェアの開発において、MathWorksのモデリング・シミュレーションおよびCコード自動生成製品を利用していますが、モデルベース開発(MBD、モデルベースデザイン)の普及に伴い、MATLABのR2015aのバージョンで量産開発をしている中で、次のような課題が浮上してきました。

  • 各工程にMBDを取り入れているが、検証工程や工程間の繋ぎで手作業が発生しており、一気通貫で自動化を実現することが急務
  • 運用しているモデル資産の増大により、バージョンアップにかかるモデルやツールの検証工数が増大
  • 自動車開発におけるソフトウェア開発の比重は急激に大きくなってきており、古いバージョンを使用し続けることで最新の技術を迅速に取り入れることが難しく、開発競争力に影響

トヨタではMathWorksとの以下の取り組みによりMATLABバージョンアップを計画的に実施するスキームを確立します。R2021aをスタートとして、今後は従来よりも短期間、かつ検証工数を減らしてバージョンアップを継続する体制を整えます。

  • Simulinkモデルのガイドラインを大幅に見直すことにより、将来のMATLABバージョンアップ時の機能拡張に対応
  • 従来使用してきた、トヨタが独自にカスタマイズした機能を大幅に削減し、製品の標準機能を最大限に活用
  • R2021aで大きく進化したSimulink Design Verifier等の設計検証製品を活用し、SimulinkモデルとEmbedded Coder生成コードの検証の自動化を推進

今回の移行にあたり、トヨタ自動車 パワトレ電子システム開発部部長である森 英男氏は次のように述べています。
『市場ニーズの多様化、環境・安全にかかわる規制強化、先進技術の高度化、モビリティビジネスの多様化等が複雑に絡み合い、自動車産業そのものが大きな変革の時期を迎えています。従来以上に速いスピードで開発を進め、高品質を維持することが求められており、これを実現するためには、より開発周期を短く、頻繁に機能を高められる制御開発をする必要があり、MATLAB、Simulinkはこの中核を担っています。R2021a採用を機に、既存のモデル資産を有効活用しながらも、将来のMATLABバージョンアップコストを限りなく抑えつつ、MBDの各工程を一気通貫で自動化するフェーズに移行していきます。MathWorks様の協力により、商品力のある自動車を短期間で開発でき、市場に投入していけることを期待しています。』
    
MathWorksの開発部門バイスプレジデントであるAndy Graceは次のように述べています。
『トヨタのモデルベースデザイン適用は、世界中の自動車産業によりMathWorksのソフトウェアが製品設計・開発に継続的に使用されるということを示しています。我々は、自動車産業で必要なエンジニアリングツールの開発を行うため、25年以上にわたりトヨタとの緊密な関係を築いてきました。トヨタが量産用の高品質なソフトウェア開発において、MathWorks製品の最新機能を最大限に活用し、定期的なMATLAB のバージョンアップの仕組みを構築することを嬉しく思います。我々は、今後も大規模な量産適用のお客様による計画的なバージョンアップの実施において、継続的にツールの改善を行うとともに、新たに導入されたUpdateによる継続的な不具合修正の仕組みによりサポートしていきます。』
    
    
トヨタ自動車 企業情報
https://global.toyota/jp/company/
    
MathWorks
jp.mathworks.com

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