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インフィニオンがTOLxファミリの新しいOptiMOSパッケージを発表

2021.6.14  12:54 pm

インフィニオンがTOLxファミリの新しいOptiMOSパッケージを発表

TCoB(基板上の温度サイクル)の堅牢性を向上させたTOLGと、優れた熱性能を持つTOLTの2タイプ

(2021年6月8日、ミュンヘン (ドイツ))
インフィニオン テクノロジーズは、革新的なTO-Leadless(TOLL)パッケージにより、TOLxファミリの2つの新しいOptiMOS™パワーMOSFETパッケージ、TOLG(TO-Leaded with Gullwing leads)とTOLT(TO-Leaded Top-side cooling)を発表いたします。
   
電動スクーターや電動フォークリフト、その他の軽電気自動車(LEV)や、パワーツール、バッテリーマネジメントシステムなどのアプリケーションでは、高電流定格、堅牢性、長寿命が求められます。当社では、多様な設計ニーズを満たし、最小のスペースで最大のパフォーマンスを実現するために、パワーシステム設計者に多くの選択肢を提供することで、これらの要求に応えます。TOLxファミリは共に、非常に低いRDS(on)と300Aを超える大電流定格を実現し、高電力密度設計におけるシステム効率を向上させます。
   
TOLGパッケージは、TOLLとD2PAK 7ピンパッケージの長所を組み合わせたもので、TOLLと同じ10×11 mm2のフットプリントと電気的性能を持ちながら、D2PAK 7ピンに匹敵する柔軟性を備えています。TOLGの主な利点は、アルミニウム絶縁金属基板(Al-IMS)を使用した設計で特に顕著に現れます。これらの設計では、銅IMSやFR4基板に比べて、温度変化に応じて材料の形状が変化する傾向を示す熱膨張係数(CTE)が大きくなります。
時間の経過とともに、TCoB(基板上の温度サイクル)により、パッケージとPCBの間のはんだ接合部にクラックが発生します。TOLGは、ガルウィング端子の柔軟性により、優れたはんだ接合部の堅牢性を実現し、繰り返し温度サイクルが発生するアプリケーションにおける製品の信頼性を大幅に向上させます。この新パッケージは、IPC-9701規格の要求値と比較して、2倍のTCoB性能を達成しています。
   
Toltパッケージは、優れた熱的性能を発揮するように最適化されています。このパッケージは、リードフレームを反転させて金属を上面に露出させ、大電流を流すドレインとソースを接続するための複数のガルウィング端子を各面に配置。リードフレームを反転させることで、金属が露出した上面から、絶縁材を介してヒートシンクに直接熱が伝わります。TOLLボトムサイドクーリングパッケージと比較して、TOLTはRthJAを20%、RthJCを50%改善しています。これらの仕様により、特にヒートシンクの材料費を削減。さらに、TOLTのOptiMOSは、部品をMOSFETの底面に取り付けることができるため、PCBスペースを削減することができます。