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TOPPERSの組込みソフトウェアプラットフォームがRISC-Vに対応

2019.5.9  5:21 pm

RISC-Vプロセッサ搭載HiFive1ボードにTOPPERS/ASPカーネルをポーティング、オープンソースソフトウェアとして一般公開

TOPPERSプロジェクトでは、SiFive社が開発したRISC-Vプロセッサを搭載したHiFive1ボードに対して、TOPPERS/ASPカーネルのポーティングを行い、この度、オープンソースソフトウェアとして一般公開することになりました。また、それを核とした組込みソフトウェアプラットフォーム TOPPERS BASE PLATFORM(RV)V0.1.0を開発し、TOPPERSプロジェクトの会員向けに配布を開始しました。

最近、オープンソースのCPUコアとしてRISC-Vに注目が集まり、組込みシステム用途でも採用したいという声が高まっています。HiFive1は、32ビットのRISC-V(RV32IMAC)プロセッサを用いたSoCである FE310-G000を搭載したArduino互換ボードです。

TOPPERSプロジェクトでは、 µITRON系のリアルタイムカーネルであるTOPPERS/ASPカーネル(Release 1.9.3)をRISC-Vプロセッサにポーティングするとともに、昨年公開したTOPPERS BASE PLATFORM(ST/CV)のソフトウェアモジュールを活用して、HiFive1ボード上に組込みソフトウェアプラットフォームを構築しました。これらを用いることで、RISC-Vプロセッサを用いて簡単に組込みアプリケーションを開発することができます。
TOPPERS BASE PLATFORM(RV)V0.1.0の構成は以下の通りです。

(1) Base driver 
 GPIO/WDOG/RTC
(2) Standard driver
 SPI/I2C(I2C はソフトウェアドライバで送信のみ可能)
(3) GDIC
 aqm1248_st7565 AQM1248 128x48 モノクロ LCD ドライバ
 adafruit_st7735 Adafruit 1.8”カラーLCD ドライバ
 adafruit_ILI9341 Adafruit 2.8”カラーLCD ドライバ
 spi_driver SPI-SD カードドライバ
 aqm0804_st7032 AQM0804 キャラクタ LCD ドライバ
 ble_shield2.1 Nordic nRF8001 BLE ドライバ
(4) ミドルウェア
 snfont_disp(東雲フォントが使用可能な文字、グラフィックス UI)

Base driverとStandard driverは、FE3100-G000が搭載している主なIPに対応しています。GDIC とミドルウェアは、STM32マイクロコントローラ(STマイクロエレクトロニクス社)向けの組込みソフトウェアプラットフォームであるTOPPERS BASE PLATFORM(ST)V1.4.0のものと、ソースコードレベルでほぼ互換となっています。

TOPPERSプロジェクトでは、RISC-V用のWindows10開発環境の構築、ASPカーネルのポーティング手順、TOPPERS BASE PLATFORM(RV)の概要、SPIを使ったグラフィックLCD表示について解説するチュートリアルを、6月14日に大田区産業プラザ(PiO)で開催されるTOPPERSカンファレンスにて行います。
また、TOPPERS BASE PLATFORMを用いた組込みシステム開発セミナーを毎年実施しており、そのコンテンツは、TOPPERSプロジェクトのウェブサイトより公開しています。加えて、公開用のソースには、セミナーでは扱っていない種々の Arduinoシールドと結合したサンプルプログラムが含まれているため、目的にあった組込みシステム開発を始めることができます。

・TOPPERSプロジェクト
 http://www.toppers.jp/