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横田英史の読書コーナー

公文書危機〜闇に葬られた記録〜

毎日新聞取材班、毎日新聞出版

2020.11.5  2:28 pm

 「森友・加計学園」や「桜を見る会」など、安倍政権で続発した政府・官僚の公文書問題の実情に迫った毎日新聞の連載を単行本化した書。改ざん、隠蔽、廃棄のほか、そもそも作らないなど、ここまで公文書の扱いは杜撰で軽視されているのかと暗澹とした気分になる。“しらを切る”答弁が国会で常態化している現状は、民主主義にとって大きな危機なのは間違いない。取り返しのつかない状態になる前に、改めて現状を知るには格好の書である。
  
 民間には記録の長期保存を求めながらバックアップも取らずにサーバーのメールを短期間で消去する発想や、公用ではなく私用の携帯やLINEでコミュニケーションをとる政治家のセキュリティ面での甘さには驚かされる。情報公開を避けるために意味不明のファイル名にする小賢しさや、政治家と官僚の屁理屈の数々には失笑させられる。

書籍情報

公文書危機〜闇に葬られた記録〜

毎日新聞取材班、毎日新聞出版、p.256、¥1650

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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