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横田英史の読書コーナー

組込みエンジニアの教科書

渡辺登、牧野進二、シーアンドアール研究所

2019.5.4  10:15 am

 古くからの友人である渡辺登さんが書籍を執筆したことをFacebookで知り、さっそく手に入れた書。組み込みエンジニアに必要な知識やスキルをコンパクトに解説した教科書で、仕事の内容、組み込みハードとソフトの基礎、C言語プログラミング、リアルタイムOS、組み込みLinux、組み込みソフトの開発プロセスなどをカバーしている。教科書としては内容的に少し高度で、それなりの予備知識がないと読みこなすのは難しそうだ。組み込みエンジニアの仕事を俯瞰するのはちょうどいい。

 本書は、プログラムのコードやハードのピン配置など、細かいレベルまで書き込んでいるので役立ち感がある。ただし、あくまで組み込みエンジニアとしてのスキルの「とば口」。ArduinoやRaspberry Piを使って、ハードを作ったり、プログラムを書くなど手を動かさないと身につかないだろう。本書で必要十分とは言えないのが組み込みの奥の深さである。

 評者が組み込み技術者だったのは32年前。昔取った杵柄がどの程度役立つかを確かめながら読んだ。デバッギングモニタを自作して8086CPUボードに搭載した世代なので、組み込みLinuxは敷居が高かったが、それ以外は何とか理解できた。組み込みの基本はさほど変わらないのかもしれない。

書籍情報

組込みエンジニアの教科書

渡辺登、牧野進二、シーアンドアール研究所、p.272、¥2948

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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