横田英史の読書コーナー
負動産時代〜マイナス価格となる家と土地〜
朝日新聞取材班、朝日新書
2019.4.3 11:11 am
家や土地といった不動産が負の資産になる時代に入っていることを、多くの事例に基づいてレポートした新書。朝日新聞の連載を単行本化したもの。登記されないまま放置されて都市計画の障害となっている土地、相続人がねずみ算で増え権利関係が錯綜して手を付けられない土地など、日本の不動産の現状を明らかにしている。
このほか、高すぎる固定資産税と相続税、お金を払ってまで処分する別荘地やリゾートマンション、老朽化したマンションの建て替え問題、原野商法などの詐欺、サブリースのトラブル、積立金が狙われ乗っ取られるマンションの管理組合といった話題も興味深い。具体的な内容は説得力をもって迫ってくる。本書を読むと、社会の変質が進む日本社会の現状を知ることができる。土地神話や人口増を前提にした法制度や社会の仕組みが現状に対応できず、政治の無策と相まって悪夢を招いていることがよく分かる。
しかし、日本全体が土地に踊ったバブルとは一体何だったんだろうと改めて思わされる。本書は最後に、フランス(パリやコルシカ島)、ドイツなどの取材を通して解決策を探っている。
書籍情報
負動産時代〜マイナス価格となる家と土地〜
朝日新聞取材班、朝日新書、p.264、¥875

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)
1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。
新着記事
-

実践 フィジカルAIの教科書〜現実世界へ歩み出すAIの技術と活用事例〜
2026.9.8 10:38 am
-

パレスチナ実験場〜世界に輸出されるイスラエルの占領技術〜
2026.8.31 10:36 am
-

おどろきの刑事司法〜“犯罪者”の作り方〜
2026.8.25 10:35 am
-

曖昧な弱者の時代
2026.8.21 10:33 am
-

懐疑論〜古代ギリシアからデカルト、陰謀論まで〜
2026.8.13 10:32 am
-

最適化幻想〜効率が人を幸せにしない理由〜
2026.8.8 10:31 am
-

ヒトとAI
2026.7.31 10:29 am
-

日本史の宝箱〜史料をめぐる52の秘話〜
2026.7.25 10:27 am
SOLUTION
REPORT
横田英史の 読書コーナー
お薦めセミナー・イベント情報
ET/IoT Technology Show
Back Number
Pick Up Site
運営

株式会社ピーアンドピービューロゥ
〒102-0074
東京都千代田区九段南4-7-22
メゾン・ド・シャルー3F
TEL. 03-3261-8981
FAX. 03-3261-8983














