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横田英史の読書コーナー

Why Digital Matters? 〜“なぜ"デジタルなのか〜

プレジデント経営企画研究会、プレジデント社

2019.1.3  10:08 am

 コマツなどの先進事例を取り上げながら、対比する形で日本企業のIT投資の問題点を明らかにした書。企業向け業務パッケージソフト・ベンダーの独SAPがスポンサーとなっている書籍なので、それを割り引いて読む必要があるものの、要領よくまとまっている。日本企業の情報システムの置かれた状況をざっと知るうえで役立つ書である。

 筆者は、「ヒトではなく、電子に走らせろ。電子は疲れない」と訴える。社員の勘・経験・度胸と工夫、努力、勤勉さに頼り、世界標準からかけ離れてしまった日本企業のシステム事情がよく分かる。日本国内に閉じて部分最適しかできず、グローバル展開に後れをとる日本企業への危機感が募る内容になっている。

書籍情報

Why Digital Matters? 〜“なぜ"デジタルなのか〜

プレジデント経営企画研究会、プレジデント社、p.302、¥1728

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。