横田英史の読書コーナー
遅刻してくれて、ありがとう(下)
トーマス・フリードマン、伏見威蕃・ 訳
2018.11.13 10:17 am
ニューヨーク・タイムズのコラムニストが、すべての変化が加速する時代に世界は何を拠り所にするべきかを提示した書の下巻。加速の時代に求められるのは、ジェンダーや思想、人種、民族における多様性と多元的な共存だと説く。激動する時代において社会のレジリエンス(Resilience:復元力)を高めるには、自然に学ぶことと健全なコミュニティを築くことが重要だと主張する。
安定した家庭を築いて維持する力が衰えていることが、現在の米国の教育から労働に至る危機の根幹にあるとする。筆者が特に強調するのが地方のコミュニティの重要さだ。故郷であるミネソタを題材にして、米国社会のあるべき姿を描いている。米国の書籍らしく、具体的かつ徹底的に、ミネソタにおけるコミュニティについて書き尽くしているが少々冗長な感がある。ちなみに米国を再び偉大にするのはトランプではなく、コミュニティというのが著者の主張だ。
書籍情報
遅刻してくれて、ありがとう(下)
トーマス・フリードマン、伏見威蕃・ 訳、p.424、日本経済新聞出版社、¥1944

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)
1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。
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