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横田英史の読書コーナー

ルポ 児童相談所

大久保真紀、朝日新書

2018.9.13  11:13 am

 子供の虐待死などがあると槍玉に上がることの多い児童相談所の実態を、朝日新聞取材班が児童福祉司たちを1カ月にわたって取材することで明らかにしたルポルタージュ。知られざる状況を生々しく明らかにした貴重な記録で、読み応え十分である。伝聞だけで軽々に批判することの愚かさがわかる。虐待を隠す親、子どもと引き離されることに激しく抵抗する親と対峙。この仕事の大変さがひしひしと伝わってくる。一級のノンフィクションでお薦めである。

 全国の児童相談所が扱った相談は一昨年で12万件にのぼるという。警察や弁護士などと連携をとりながら、どういった活動を行っているかが本書を読むとよく分かる。現場の所長、ワーカーによる座談会、高知県知事、児童相談所に常駐する弁護士へのインタビューも悪くない。

書籍情報

ルポ 児童相談所

大久保真紀、朝日新書、p.304、¥886

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。