Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

横田英史の読書コーナー

巨大な夢をかなえる方法~世界を変えた12人の卒業式スピーチ~

ジェフ・ベゾス、ディック・コストロ、トム・ハンクスほか、文藝春秋

2015.3.30  7:20 pm

 大学の卒業式スピーチと言えばスティーブ・ジョブズが思い出される。評者は最寄り駅から会社まで、2005年にスタンフォード大学で行われたスピーチを聞きながら歩いている。英語の耳慣らしのためなのだが、何度聞いても感動的だし構成が実に良く出来ている。本書は、12人の有名人の大学卒業式スピーチを集めたものである。残念ながらジョブズを超えるスピーチは見当たらないが、それぞれに個性的で面白く読める。米国のスピーチ文化の懐の深さも感じることができる。
 登場するのは、起業家、映画俳優、映画監督、投資家、教育者である。ジョブズの影響のためか、ITベンチャー系の経営者の割合が多い。皮切りはアマゾンのジェフ・ベゾス。母校プリンストン大学の卒業式で、祖父との“いいエピソード”を紹介する。これは悪くない。次いで、グーグルのラリー・ペイジ、ヤフー!のジェリー・ヤン、ツイッターのディック・コストロ、フェイスブックのシェリル・サンドバーグ、テスラモーターズのイーロン・マスクなどベンチャー系が続く。映画俳優のトム・ハンクスとメリル・ストリープも悪くない。特にメリル・ストリープのスピーチはグッとくる。

書籍情報

巨大な夢をかなえる方法~世界を変えた12人の卒業式スピーチ~

ジェフ・ベゾス、ディック・コストロ、トム・ハンクスほか、文藝春秋、p.261、¥1728

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。