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横田英史の読書コーナー

新鉄客商売~本気になって何が悪い~

唐池恒二、PHP研究所

2017.12.30  9:34 am

 この書評でかつて取り上げた「鉄客商売」の続編。著者はJR九州の唐池恒二会長である。釜山と博多を結ぶ国際航路「ビートル」、レストラン「うまや」、農業への参入、豪華列車「ななつ星」などの事業を立ち上げたエピソードとJR 九州を上場に導いた経営改革の数々を披露する。テンポの良い洒脱な文体に続編でも顕在でつい引き込まれる。

 一つのトピックの最後にななつ星のデザインを手掛けた水戸岡鋭治との対談をはさんでいる。二人の関係性がそこはかとなく漂っており悪くない。肩こらないビジネス書に仕上がっておりお薦めできる。なお JR 九州は評者の会社・日経 BP ソリューションズのクライアントの1社で、上場に際して IR ページを含め Web サイトのリニューアルを請け負ったことを予め断っておく。

書籍情報

新鉄客商売~本気になって何が悪い~

唐池恒二、PHP研究所、P.367、¥1836

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。