Electronics Information Service

組込みシステム技術者向け
オンライン・マガジン

MENU

横田英史の読書コーナー

ミレニアル起業家の新モノづくり論

仲 暁子、光文社新

2017.10.23  10:08 am

 SNS を使った求人サイト Wantedly(ウォンテッドリー) の創業者である筆者の産業論。インターネットが産業や社会、経済に与えるインパクト、インターネット世代(ミレニアム世代)の行動パターンを考慮した新しい発想のものづくりについて持論を展開する。エッセイ風な議論で、論理の組み立てに飛躍や粗い部分はあるが着眼点は悪くない。日本の産業が置かれた状況を大づかみに捉えるのに向く書である。ものづくりのプロである EIS 読者の方にお薦めできる。

 筆者は、「なぜ日本から世界で活躍できる企業が減っているのか」と問いかける。その原因と成長に向けての対処法を綴ったのが本書である。例えば成長のポイントして挙げるのが、ミレニアム世代のトライブ化(共同化)への対応である。スペックよりもストーリーを重視するのがミレニアム世代であり、帰属するトライブ(共同体)を探し続けていると分析し、彼ら彼女らにフィットするものづくりが肝要だとする。「足し算よりも引き算」「ユーザーに聞くではなく問う」といったキャッチーな言葉遣いもなかなかうまい。

書籍情報

ミレニアル起業家の新モノづくり論

仲 暁子、光文社新書、p.288、¥972

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。