未来の年表~人口減少日本でこれから起きること~

河合 雅司、講談社現代新書

 2017年から2013年に至る日本社会の変化を、国勢調査や国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」データなどに基づいて時系列で論じた書。例えば、2018年に国立大学が倒産の危機へ、2019年に IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ、2020年に女性の2人に1人が50歳以上に、2025年についに東京都も人口減少へ、といった具合だ。

 

 第2章では処方箋を紹介する。的確な指摘ではあるが、画期的とは言いづらい。全体に日本社会のおかれた危機的状況がよく分かる筋立てになっており、ベストセラーになるのもよく分かる。肩のこらない新書でお薦めである。

 

 筆者は、人口問題について正しい知識を持たない国や地方の議会や行政が頓珍漢な対策を打ち出していると危機感を募らせる。人口の激減を見据えたコンパクトで効率的な国造りに向け、あえて「不都合な真実」を明らかすることが本書の目的だと語る。筆者が最大の危機と位置づけるのが、高齢者が3935万人超とピークを迎える2042年。就職氷河期の世代が老い、独居高齢者が大量に生まれる時期である。その後は東京など大都市で、総人口はあまり減らず、都会に出た息子を頼って上京する高齢者だけが増える事態に陥る時代がやってくるという。

書籍情報

未来の年表~人口減少日本でこれから起きること~

河合 雅司、講談社現代新書、p.208、¥821

 

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役に就任。現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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