バッタを倒しにアフリカへ

前野 ウルド 浩太郎、光文社新書

 バッタの生態を研究し被害を食い止めるために単身モーリタニアにわたったオーバードクターが、現地での悪戦苦闘をユーモアたっぷりに綴ったノンフィクション。実に爽やかで痛快である。日本では実験室だけで研究していた筆者が、いきなりサハラ砂漠でのフィールドワークに飛び込んで、アフリカの大自然とモーリタニアの風習に戸惑いながら鍛えられていく。筆者をとりまく人間模様(日本人も含めて)がとてもいいのも本書の特徴だ。休暇のときなど、リラックスした環境で読みたい良書である。

 

 筆者は昆虫学者として身を立てようと思うが、日本での就職はままならない。そこで思い立ったのが、サバクトビバッタの研究で実績を上げること。サバクトビバッタは西アフリカだけで年間400億円以上の被害をもたらすものの、生態が解明されていないのだ。この目論見は紆余曲折のすえに効果を上げ、京都大学が若手研究者育成のために立ち上げた「白眉プロジェクト」に採用されることになる。松本紘京大総長(当時)との最終面接のエピソードがちょっといい。

書籍情報

バッタを倒しにアフリカへ

前野 ウルド 浩太郎、光文社新書、p.378、¥994

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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