日本の戦略外交

鈴木美勝、ちくま新書

 戦後の吉田茂、岸信介に始まり、宮沢喜一、橋本龍太郎、小渕恵三を経て、安倍晋三政権に至る日本の外交戦略を時事通信社の解説委員がジャーナリストの立場から解き明かした書。吉田や岸については、戦略眼に裏打ちされたリアリズムがあったと高く評価する。外交史の出来事の背景や伏線をしっかり書き込んでおり、外交におけるリアリズムがよく理解できる。


 安倍内閣についての記述が秀抜である。安倍外交を演出している3人の黒子の動きを踏まえ、ディープな部分にまで切り込んでおり読み応え十分だ。安倍政権が米国、中国、ロシア、インド、EU とどのように間合いをとっているかが理解できる。日本の外交戦略を俯瞰できる良書であり一読をお薦めしたい。

 

 筆者は現在の世界情勢をこのように分析する。超大国アメリカの一極支配の挫折、巨大国家中国の覇権的台頭と軍事力の外洋化、アラブ世界の液状化、非国家勢力の台頭によって、冷戦時代に投錨された思考法、発想、理念をそのままに新時代の秩序を生み出すのは至難の業。日本外交に新たな戦略構想が必要になるとする。

書籍情報

日本の戦略外交

鈴木美勝、ちくま新書、p.412、¥1188

横田 英史 (yokota@nikkeibp.co.jp)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。
日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現IT Pro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。
2003年3月発行人を兼務。2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。
その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月から日経BPコンサルティング取締役、2016年3月から日経BPソリューションズ代表取締役社長を兼務。2018年3月退任。2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所グリーンテックラボ主席研究員、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組み込み制御、知的財産権、環境 問題など。
*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。

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