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横田英史の読書コーナー

かつお節と日本人

宮内泰介、藤林泰、岩波新書

2013.12.2  12:00 am

 「かつお節」という身近で魅力的な題材を扱った書。朝の連ドラ「ごちそうさん」で、かつお節削り(カンナ)が登場する場面があり、懐かしい思いでつい購入してしまった。かつお節の生産方法や生産者の生活の変化など、興味深い内容が満載の新書である。
 かつお節には300年の歴史があり、関連する地域は約4000キロに及ぶ。しかも明治から現在にいたるまで一貫して消費を伸ばし続け、いまブームが到来しているという。かつお節は日本の軍事進出に密接に関係し、台湾やミクロネシア、インドネシアで生産されていたというのは驚きだ。沖縄との関わりも興味深い。ちなみに沖縄は、日本で最もかつお節の消費が多い地域という。かつお節パックを売りだした老舗・にんべんのエピソードも悪くない。新書らしい内容なので、ちょっとした暇つぶしにお薦めである。

書籍情報

かつお節と日本人
宮内泰介、藤林泰、岩波新書、p.240、¥798

横田 英史 (yokota@et-lab.biz)

1956年大阪生まれ。1980年京都大学工学部電気工学科卒。1982年京都大学工学研究科修了。
川崎重工業技術開発本部でのエンジニア経験を経て、1986年日経マグロウヒル(現日経BP社)に入社。日経エレクトロニクス記者、同副編集長、BizIT(現ITPro)編集長を経て、2001年11月日経コンピュータ編集長に就任。2003年3月発行人を兼務。
2004年11月、日経バイト発行人兼編集長。その後、日経BP社執行役員を経て、 2013年1月、日経BPコンサルティング取締役、2016年日経BPソリューションズ代表取締役に就任。2018年3月退任。
2018年4月から日経BP社に戻り、 日経BP総合研究所 グリーンテックラボ 主席研究員、2018年10月退社。2018年11月ETラボ代表、2019年6月一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)理事、現在に至る。
記者時代の専門分野は、コンピュータ・アーキテクチャ、コンピュータ・ハードウエア、OS、ハードディスク装置、組込み制御、知的財産権、環境問題など。

*本書評の内容は横田個人の意見であり、所属する企業の見解とは関係がありません。