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Teledyne SP DevicesがPXIe デジタイザとGPU間での初のピアツーピアストリーミングを実証

2023.3.17  7:48 pm

Teledyne SP DevicesがPXIe デジタイザとGPU間での初のピアツーピアストリーミングを実証

1GHz分析帯域幅、リアルタイム処理およびマシンラーニングアプリケーションでの遅延の低減

Teledyne Technologies IncorporatedのビジネスユニットであるTeledyne SP Devicesは、幕張メッセにて開催(2023/03/15~03/17)の防衛・セキュリティ機器インターナショナル(DSEI)ジャパンにおいて、3 月 15 日に民生品(COTS)の PXIe デジタイザとグラフィックス処理装置(GPU)間のピアツーピアストリーミングの業界初の実装をデモンストレーションしました。
デモンストレーションは、Teledyne SP Devices ADQ7 PXIe デジタイザと RADX Technologies, Inc.(RADX)のNVIDIA Quadro GPU をベースとする Catalyst PXIe GPU を使用しています。
     
ピアツーピアストリーミングは、デジタイザと GPU の間でダイレクトメモリーアクセス(DMA)を使用して、PXIe システムの CPUやメモリサブシステムを経由することなくデータを取得します。
この手法は、チャネルあたりの帯域幅を拡張すると同時に、レイテンシを低減し、PXIe システムの CPU およびメモリサブシステムによって発生するオーバーヘッドを最小限に抑えます。
      
ピアツーピアストリーミングの真の利点は、リアルタイムの信号処理パフォーマンスとシステム拡張性を大幅に向上させることです。これは、テスト・測定(T&M)や電子戦(EW)アプリケーションなどの高度なマルチチャネルおよび超広帯域アプリケーションに不可欠です。これらのアプリケーションは、GPU への接続が重要なマシンラーニングからも恩恵を受けられます。

従来のストリーミングでは、デジタイザから CPU/メモリサブシステムを通過するサンプルフローは、システムリソースを消費し、レイテンシを増加させ、スケーラビリティを低下させます。ピアツーピアストリーミングでは、サンプルはデジタイザからダイレクトメモリアクセスを介して GPU のメモリに直接流れ、CPU/メモリサブシステムをバイパスしてシステムリソースを解放し、レイテンシを低減し、スケーラビリティを向上させます。
ピアツーピアストリーミングは、最終的にはチャネルあたり最大 50%の帯域幅を実現します。これは、超広帯域のマルチチャネルアプリケーションにとって重要です。

「GPU へのピアツーピアストリーミングは、Teledyne SP DevicesがPCIeデジタイザ製品で長年サポートしてきた不可欠な機能です。」と Teledyne SP Devicesの製品マーケティングマネージャーのPaul McCormackは述べています。
「RADX Catalyst PXIe GPUの登場により、この重要な機能をPXIe製品ポートフォリオにも追加できるようになりました。これは、多くの航空宇宙、防衛、自動車、その他の長期ライフサイクルのテスト、測定、および電子戦アプリケーションに不可欠です。」
     
DSEIジャパンにおいて、Teledyne SP DevicesはADQ7 2-CH、14ビット、PXIeデジタイザがピアツーピアストリーミングで 5 ギガサンプル/秒を隣接する RADX Catalyst PXIe GPUに連続送信するデモンストレーションを行いました。GPU は NVIDIA Quadro T600を採用しており、受信ストリームに 1 メガサンプルの高速フーリエ変換(FFT)を連続実行します。
デモンストレーションに採用された PXIe システムには、NI PXIe-1095シャーシとNI PXIe-8881組み込みコントローラが含まれており、Ubuntu Linux 20.04 が実行されています。このデモでは、コンピュータやサーバなどの PCIe アプリケーションですでに利用可能なピアツーピア処理が、PXIe インターフェイスを必要とするより多くの産業アプリケーションで利用可能であることを示しています。

Teledyne SP DevicesがPXIe デジタイザとGPU間での初のピアツーピアストリーミングを実証

「Teledyne SP Devicesは、PXIeデジタイザと RADX PXIe GPU間のピアツーピアストリーミングをサポートし、業界のリーダーシップを発揮し続けています」と、RADXの共同創設者兼 CEO である Ross Q. Smith氏は述べています。
「PXIe デジタイザと GPU 間のピアツーピアストリーミングにより、PXIeテストシステムインテグレーターは、初めて、PXIe システム内で超広帯域、低遅延、リアルタイム信号解析と機械学習を、データを取得したタイミングで且つこれまでFPGAやCPUだけでは達成できなかった価格帯と精度で実施できるようになりました」
     
Teledyne SP Devices 14 ビットおよびその他のデジタイザの詳細
https://www.spdevices.com/products/hardware#14-bit-digitizers
RADX Catalyst GPU およびその他の RADX ハイパフォーマンス COTS PXIe モジュールの詳細
https://www.radxtech.com/catalyst-gpu
     
RADXについて
RADX Technologies, Inc.は、T&M および EW 市場向けの PCIe/CPCIe プラットフォームで高度な信号処理、データ取得、および ML/DL 推論アプリケーションを可能にする COTS、コスト効率に優れたハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)ハードウェアおよびソフトウェア製品を開発する、米国を拠点とする小規模企業です。RADX 製品には、PXIe/CPCIe モジュールの(特許出願中の)Catalyst および Trifecta ファミリおよび Transform-X ソフトウェアの例があります。RADX は NI Alliance シルバーパートナーであり、RADX BAA/TAA 準拠製品はテストマート経由にて GSA で入手できます。
www.radxtech.com
     
Teledyne SP Devices について
https://www.spdevices.com/