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キーサイトとシンガポールのQuantum Engineering Programme、量子技術の研究、開発、教育を加速へ

2022.6.9  3:54 pm

共同でシンガポールに量子イノベーションアクセラレーターの設立を決定

キーサイト・テクノロジーズ・インク(米国カリフォルニア州サンタロー、日本法人:キーサイト・テクノロジー株式会社、以下「キーサイト」)とシンガポールのQuantum Engineering Programme(QEP)は、量子技術の研究、開発、教育の加速をするために協業する覚書(MOU)に調印しました。

キーサイトとシンガポールのQuantum Engineering Programme、量子技術の研究、開発、教育を加速へ
シンガポール国立大学(NUS)、量子工学プログラム(QEP)、キーサイトによるMOU調印式
(左から、経済開発庁バイスプレジデント兼ヘッド(新規事業)Dr. Chen Guan Yow、共同議長・QEP運営委員兼防衛省シニア研究開発コンサルタントQuek Gim Pew氏、NUS副学長(研究技術)Chen Tsuhan教授、キーサイトの南アジア太平洋地域営業ディレクターOh Sang Ho、キーサイトのオーダーフルフィルメントおよびデジタルオペレーションプレジデント兼シニアバイスプレジデントGooi Soon Chai、キーサイトのGeneral Electronics Measurement Solutionsバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーTan Boon Juan)

       
QEPは、量子技術の研究とエコシステム構築の支援を目的として、2018年にシンガポール国立研究財団(NRF)によって発足し、シンガポール国立大学(NUS)に設置されています。このプログラムは、量子コンピューティング、量子通信とセキュリティ、量子センシング、および量子ファウンドリなど、実用化が期待されるプロジェクトに資金を提供しています。
       
キーサイトは、先進の計測機器、量子ビット制御ソリューション、および精密測定装置に関する専門知識を活用し、モジュール形式で拡張性の高い量子制御システムを提供できる体制を整えており、研究者が量子コンピューティングや他の量子デバイスを活用する次世代システムを設計し、規模を拡大することを可能にします。
          
QEPのディレクターで、NUS物理学部の准教授兼量子技術研究所の主任研究員であるAlexander Ling氏は、次のように述べています。
「コンピューティング性能の向上やよりセキュアな通信など、量子技術の可能性を実現するには、チームワークが必要となります。キーサイトがQEPのパートナーに加わり、シンガポールでの活動を支援してくれることを嬉しく思います。」
        
このMOUのもと、QEPとキーサイトは量子測定器パッケージや、量子システムの拡張性・展開性を実現する技術開発において緊密に協力していきます。さらに、QEPに参加している研究者がキーサイトのソフトウェアデザインツール、先進の試験・測定機器に容易にアクセスできるプログラム「Quantum Joint Innovation Accelerator」を設立します。研究者は、研究室でキーサイトの測定ツールの評価や、シンガポールにあるキーサイトの施設の機器にアクセスすることができます。
        
キーサイト・テクノロジーの南アジア・太平洋ジェネラルディレクターであるSang Ho Ohは、次のように述べています。
「当社の先進の測定技術と量子工学技術における専門知識に基づく量子テストソリューションで、QEPを支援できることを嬉しく思います。量子エコシステムが構築されていく中で、当社はシンガポールのエコシステムが量子技術の研究、開発、教育を加速できるようなソリューションを提供していきます。」
       
キーサイトのGeneral Electronics Measurement Solutions事業部のバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるBJ Tanは、次のように述べています。
「当社とQEPは、新しい量子技術エコシステムにおける研究と開発を加速するための共同フレームワークを確立していきます。この最先端研究のパートナーシップにより、新たなフロンティアと開発が進み、業界のイノベーションが今後何年にもわたって推進されることになるでしょう。」
       
Quantum Engineering Programme(QEP)について
シンガポールのQuantum Engineering Programme(QEP)では、量子技術を応用してユーザー定義の問題を解決するための研究への資金を提供し、エコシステム構築を支援しています。この取り組みは、量子センシング、量子通信とセキュリティ、量子コンピューティングおよび「国立量子ファブレスファウンドリー」の設立という4つの分野に注力しています。このプログラムは2018年にシンガポール国立研究財団によって発足し、シンガポール国立大学(NUS)に設置されています。
詳細 qepsg.org
       
国立シンガポール大学(NUS)について
国立シンガポール大学(NUS)は、シンガポールを代表する大学であり、アジアの視点と専門性に焦点を当てた教育、研究、起業に向けたグローバルなアプローチを提供しています。シンガポール国内に3つのキャンパス、17学部があり、100か国から4万人を超える学生が集まり、活気のある多様性に満ちたキャンパスとなっています。また、世界15都市以上で「NUS海外カレッジ」プログラムを展開しています。
       
学際的かつ実社会に即した教育、研究、起業のアプローチにより、産官学と密接に連携し、アジアと世界に関係する重要かつ複雑な問題に取り組んでいます。各学部、30の大学レベルの研究機関、卓越した研究センター、企業内研究所の研究者は、エネルギー、環境と都市の持続可能性、病気の治療と予防、アクティブエイジング、先端材料、金融システムの危機管理と回復力、アジア研究、そして人工知能やデータサイエンス、オペレーションズリサーチやサイバーセキュリティなどの「スマートネーション」機能といったテーマに取り組んでいます。
詳細 https://www.nus.edu.sg/
      
キーサイト・テクノロジー
www.keysight.co.jp